シンメトリー その効能と処方
仕事で訪れた京都市左京区岡崎 平安神宮・・・京都に住んでいる時は かくもメジャーな観光エリアには足を踏み入れにくいものです(笑)。少々のインターバルをおき、あらためて見る機会を持つ・・・これも意味ある事だと思います。ゆったりと眺めつつ、「実は『旅行者の眼』が 京都という都市のイメージを求め、定義しているのかもしれないのだな」・・・そう思ったりもします。
次に東側の京都市美術館を・・・
続いて西側の京都国立近代美術館を・・・
基本的に みんなシンメトリーを意識したファサードですね。
「シンメトリー」・・・いえいえ 新しい風邪薬では ありません(笑)。
「シンメトリー」とは対称性・・・全ての事象において規則を見出すためのものです。特に 美術・建築・デザインの世界では、線対称を語る場合に この語を使います。
しかしながら、これを使いこなすのは けっこうな力量を要します。なぜなら シンメトリーには全体を支配する強さがあるからです。それは軸線に基づき、これをもって 人々は「計画者のもつ強い意志」を知らず知らずのうちに感じているのです。
近代以降、芸術家は直裁的な「シンメトリー」よりも全体のバランスを見出す「コンポジション」を注視するようになりました。ピエト・モンドリアンやワシリー・カンディンスキーが描く抽象絵画のような・・・。建築も同様です。美術館・庁舎・神社・仏閣のような権威ある建物は今でもシンメトリーを基軸においた計画となりがちですが、住宅においては小規模ながら明確な機能が表出し 求められるため、シンメトリーとのスタンスのとり方が全体デザインの個性になって示されます。ゆえに、やんわりと全体の規則を整えつつ その中での絶妙な配置構成(コンポジション)を試みるデザインが展開されがちです
シンメトリー・・・これに関しましては使用上の注意をよく読んで お使いくださいまし(笑)。
(文:久保田正一)
■付記
ちなみに、この「シンメトリーの特性」を十分理解しながら、あえてトライした先達=ルイス・カーン氏、ロバート・ベンチューリ氏ら建築界の巨匠たちの歴史的作品が存在する事を ここに付記させて頂きます。
■参考URL
シンメトリー http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E7%A7%B0%E6%80%A7
F.A.Q http://tmaeda.exblog.jp/3121439/
京都市美術館 http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/
京都国立近代美術館 http://www.momak.go.jp/
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今回も お読みいただき ありがとうございました