戦争関係の番組・映画

終戦六十年、8月という時期だけに、戦争関係の番組は多いだろうと思い、調べてみた。(さらに今年は、日航機墜落事故から20年であることも忘れずに)

8月2日 日テレ 21:00 終戦60年特別ドラマ「二十四の瞳
8月3日 NHK 21:15 その時歴史が動いたソ連参戦の衝撃」
8月5日 TBS 18:55 戦後60年特別企画「“ヒロシマ”…あの時、原爆投下は止められた」
8月5日 日テレ 21:00 金曜ロードショー火垂るの墓
8月6日 NHK 19:30 被爆60年・平和巡礼2005・HIROSHIMA世界に伝えよう・被爆者の心
8月6日 NHK 21:00 NHKスペシャル被爆者・命の記録」
8月7日 NHK 21:00 NHKスペシャル「ZONE・核と人間」
8月7日 NHK 23:15 特集・平和アーカイブス「原爆投下・その時何が」
8月8日 NHK 21:00 NHKスペシャル「追跡・核の闇市場
8月8日 NHK 23:00 特集・平和アーカイブス「被爆者たちの60年」
8月9日 NHK 21:00 NHKスペシャル「赤い背中・原爆を背負い続けた60年」
8月9日 NHK 23:00 特集・あすを読む戦後60年・世界と日本」
8月10日 NHK 21:00 NHKスペシャル「隣人たちの戦争・6年目の真実」
8月11日 NHK 21:00 NHKスペシャル「こうして日本は焦土となった」
8月12日 NHK 19:30 NHKスペシャル・ドラマ 「象列車がやってきた」

本日時点、Yahooのテレビ欄だとここまでしか分からない。見落としがあったらご連絡お願いします。

気づいたこと

8月15日までをチェックしなければ、各局の傾向は分かりそうにないが、それを前提に気づいたこと。

  • NHK以外は、8月6日に合わせているのみで、あまり興味がないような感じ。終戦より原爆優先か?
  • NHKも、8月9日までは核の話題に偏っている
  • 8月6日直前は、サッカー東アジア選手権に気持ちを持っていかれそう
  • 8月12日は、日航機墜落事故の日。今年で二十年目であるため、特集を組む局もあり、そちらに気持ちを持っていかれそう
  • 8月15日直前は、世界陸上に気持ちを持っていかれそう
  • 結局、60周年効果によって人々の関心を集めることはほとんどできない気がする
  • おまけ:巨人戦はさらに視聴率が落ち込む予感がする

去年までのこの時期

毎年この時期は、夏コミを控えているためにテレビを観る余裕がなかったのだが、戦争ネタは私が好きなジャンルであるため、優先して観るようにはしていた。まぁ本音を言うと、8月上〜中旬くらいは創作活動よりも戦争関係の映像を見て過ごしたいくらいの気分ではある。

昨年はオリンピックが話題をかっさらっており、そのうえ私は夏コミの会場でダウンして、帰宅途中で救急車を呼び、入院してしまった。そのとき、オリンピックはそっちのけで、病院のベッドから戦争関係の番組を視聴していた。考えてみれば、何も考えずに過ごさざるを得なかったあの瞬間が、常に何かに忙殺されて過ごし続けたここ数年間の間で、一番ほっとした時間であったかもしれない。

今みたい番組…というか映画『ガラスのうさぎ

今、あらゆるアニメの中で一番興味を持っているのが、映画『ガラスのうさぎ』である。時期は無関係。

http://www.ggvp.net/usagi/index.htm

傾向としては『火垂るの墓』に近いものがあるのだろうが、本を読んだ当時の印象としては、よりソフトであったように思える。爆発力のあるネタではないのだろうが、昨今の戦争関係の邦画を顧みるとはるかにマシな気がしている。

アニメ『火垂るの墓』について

これは名作だと思う。私は三回くらい見たが、もう見る気がしない。きっとトラウマのせいだろう……。だが、鮮烈に心に残る内容という意味では、やはりイチオシのアニメ映画だ。

実写映画について

近年の代表作といえば、『二十四の瞳』もそうなのかもしれないが、他には『さとうきび畑の唄』『きけ、わだつみの声』『赤い月』など。お勧めはない。

戦争関係では、個人的には古いものにいいもの(戦争映画として見ることができる、という意味)が集中しているように思える。近年の邦画はあまりお勧めしたくない。エンターテイメントとしてはいけるのかもしれないが、映像にリアリティがある割には内容が偏っており客観性に欠け、視聴者に歪んだ先入観や認識を植え付けると私は感じている。

戦争関係のネタは、どうせ日本軍の悪逆非道ぶりを強調して、派手な演出でハラハラさせて、悲劇の物語で涙を誘うものと相場が決まっているのだから、最初から時代劇のように嘘っぽくまとめた挙げ句、「チョット嘘ついてる」「誇張している」と堂々と宣言して売り出すものがあってもいいとさえ思っている(表現方法はいろいろあろうが)。それをせずに“これが戦争だ!”みたいな売り出しで、あどけない茶髪少女を登場させたり露骨な勧善懲悪ものを作ったりするから、変な印象を与えてしまうのだ。

映像関係者には、少し考えていただきたい問題である。



二十四の瞳』を見ていていろいろ思い出した。そういえば戦争涙ものに勧善懲悪なんぞあるはずがない……がっくり。悪はひたすら悪で、それだけのために登場する役なのだった。

あと、やっぱり反戦ものに事実関係への配慮や厳密さなんて求められないよな……。となれば素材を選ぶ側の問題か。