今宵は中秋の名月ですね。
「名月を とってくれろと 泣く子かな」 一茶
◆花の名山
東北有数の「花の山」秋田駒ヶ岳
特に頂上付近のお花畑は見事と聞きます。
そんな夏のお花畑、秋のブナの紅葉、冬の樹氷と
豊かな自然の変化を持つ名山ですが
今回の遠征は花の盛りも過ぎ紅葉にも早く
見頃の端境期のようでした(苦笑)
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車道は休日一般車両通行止めの為
駒ヶ岳登山口バスセンターから8合目まで
シャトルバスで向かう事になりましたが
シーズンオフのバスは貸し切りです。
◆外輪を辿る
8合目からの登山道はよく整備され
眼下の神秘の湖「田沢湖」に向かって
なだらかに下るすそ野は気持ち良い風景でした。
夏が終わり秋に向かい
気の早いナナカマドが赤く染まる向こうに座る
霊峰「岩手山」の姿には威厳を感じます。
貴重な植物の宝庫である湿地帯
その植生を守るために設置された木道も
この風景の一つと見ればそれもよしですね。
◆阿弥陀池から頂へ
やがて駒ヶ岳火山群に囲まれた「阿弥陀池」に至ります。
二手に分かれた木道の先にある避難小屋も良い風景です。
我々は主峰「男女岳」へ続く登山道を上りました。
花や紅葉のシーズンには沢山の人で賑わうのでしょうが
時間も早く我々だけの静かな頂でした。
◆残花巡礼
お花畑の主役チングルマ、コマクサなどの季節は過ぎ
秋の向かう目立たぬ花達が我々を迎えてくれました。
花は勿論「満開」が最も美しいと思いますが
その盛りは短く急がねばならないもの。
しかし散った花「残花」も良しとすれば「ゆとり」が生まれます。
私は40才を過ぎて後は「余生」と思っています。
それは「余った人生」ではなく「余裕の人生」
駆け続けた若い時代から
速度を落とし視野を広げる時代へ。
「満開」という頂点の美しさだけではなく
「残花」という自分だけの美を求めるのも良いのかな。
秋田駒は私にそう語りかけてくれました。
猿の巡礼は続きます。