包日記

包kurumiフラワーデザイナー五十嵐のブログ

石化


石化「せっか」と読むのですが、植物に現れる奇形のこと。
茎や葉や花序などが平たく帯状になったりするんです。
切り花の有名どころでは、写真の「石化エニシダ」の他に「石化ヤナギ」「石化ケイトウ」などが挙げられます。
奇形なのだけど、これらは遺伝子が固定されているのか園芸品種として普通に流通しています。
切り花の石化エニシダにいたっては、普通のエニシダの切り花はほとんど出ないので、「エニシダ」=石化エニシダと思いこんでいる人も少なくないはず(^^;)


切り花ではありませんが、サボテンや多肉植物にも石化があります。
こちらは遺伝子が固定されていないこともあってレア。高値で売買されているようです。
だいぶ前に、多肉植物クジャクマルの石化について書きましたが、その後、多肉素人だったがゆえに育て方を誤り先祖返りさせてしまった経験があります(>_<)
石化ではなく、通常のクジャクマルに戻ってしまった。という事ですね。
このようなレアものは、サボテン生産者さんから直接買ったから手に入ったものの、そこらでは売ってないのが通常です。


さて。話を石化エニシダに戻しましょう。
石化エニシダは平たくなった先端がくるりとカールしていたり、うねっていたり。
一本一本が異なる動きをしていて、一つとして同じものがないのが面白い。
その暴れっぷりに鑑賞価値があり、いつもドキドキさせてくれます。(暴れている植物は、私の大好物の一つ♪)


石化エニシダはこの暴れた茎を鑑賞するものなのですが、春という事で花が咲いています。
正直言いまして、デザイン的に石化エニシダに花はいらない・・・(笑)
花があるだけで、その個性的な動きがぼやけてしまう。
よく見るとカワイイお花なんですけどね。
マメ科なので、同じ科のスイートピーを小さくしたような形のお花。
花はあっという間に果てて黄変し、鑑賞価値を下げます。
そんな訳で花の時期、私は「ごめんね・・・」と言いながら花やつぼみを落としてから使用しているのでした(^^;)



不思議な雰囲気を倍増させる、微妙な色彩のグリーンもまたステキです。
70〜80cmくらいの丈があるので、アレンジはもちろんですが少々大き目の花束にも対応可能。
個性派の方にはオススメです。


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