庭にドクダミが・・・・・

 朝から晴れるが湿度が高いためかむしむしする。空気の感触が梅雨が近いことを告げる。庭の紫陽花もうすっらと色づいてきた。湿り気を吸い取って紫陽花の花は膨張するように空に近づいて行く。
 午前中は近くの特別支援学校へ。いつもは10時半から開く校内の売店やカフェが今日は運動会の練習があるため11時からの開業となった。それと知らずにいつもの時間に学校に足を運ぶと校門が閉まっていて、出直そうと思ったとき、先生がこちらを見てやってきた。
 門を開けて校内に招き入れてくれた。開業時間の変更の知らせは今朝提示したようで、前もってお知らせでおけばよかったのですがと言ってカフェに案内してくれた。 
 カフェでの実習授業の前に先生と生徒さんのミーティングがあるとのことで、その様子をわたしは見学することになった。部外者はわたしひとり、ちょっと緊張したが生徒さんたちもわたしがいることでいつもとは違う刺激があったようだ。接客用語を生徒さんたちが復唱するなどした。
 11時になり、顔見知りの人が何人かカフェを訪れ、いつものように実習授業が始まった。ホットコーヒー、アイスコーヒー、ホットの紅茶、ホットのハーブティーとみんなが違う飲み物を注文した。
 売店では校内の菜園で採れた蕪を5袋ほど販売し、わたしは1袋買った。いつもカフェに来る友だちは年とった猫がまだ食欲がないので来れないとわたしの電話に答えた。友だちは年取った犬と猫を飼っているので心配が絶えない。
 家に帰り、午後は庭のドクダミの絵を描いた。例年だともっと草引きをするので、ドクダミはそれほど目立たないが今年は草引きを怠けたのでドクダミが群れ咲いている。白い十字形の花を見ていると老犬ももこがいた一昨年の夏を思い出す。あのときも今年と同じようにドクダミを放置していたように思う。だがももこの世話をしながらの日々、あまりにはびこるドクダミを見て頑張ってある日むしり取った。玄関に続く庭の通路も草がぼうぼうに生えてきて、そのあまりの見苦しさに草むしりをした。動物病院に連れて行くのが大変になったももこのために往診してくれる獣医師や、鍼治療の獣医師が家に来ることになり、そのために草むしりをしたのだった。少しでもきれいにしようと。
 あの時の、わたしのそういう気持ちの動き方を思い出すと胸がぎゅっとなる。ももこのためではないが、ももこがいたからの生活だった。
 今年のドクダミはいつになったら草引きするのだろう。草引きする間に何枚か絵に残しておきたいと思い、葉書サイズの紙に鉛筆でスケッチした。蚊が寄ってきて羽音がうるさく、身体にあたるので蚊取り線香を焚いて追い払った。立って絵を描いたこともあり、あまりいい絵を描けなかった。葉の描き方がむづかしい。白い花の描き方も難しい。
 摘んできて部屋で描けば蚊に襲われることなく座って描けるが、自然に生えているドクダミの葉や花の重なりなど味わいがある。

梅雨前の庭ドクダミ白十字群れてをりわが悲哀のごとく

暮れなずむ庭に白じろ浮かびたり小さき手毬の山紫陽花は

水音に首伸ばすがにあぢさゐの花5月の空へ色づきゆく

引越しを予定したる隣家の庭ドクダミの天下となりて五月

軽鴨の親子の泳ぐ川に沿ひレジ袋提げ歩調をあわす