Spiral Fiction Note’s diary

物書き&Webサイト編集スタッフ。

『ふきげんな過去』


監督・脚本:前田司郎
出演:小泉今日子(未来子)、二階堂ふみ(果子)、高良健吾(康則)、山田望叶(カナ)、兵藤公美(サトエ)、山田裕貴、児玉貴志、大竹まこと、きたろう、斉木しげる黒川芽以、梅沢昌代(サチ)、板尾創路(タイチ)ほか









小泉今日子二階堂ふみが母娘役を演じる、劇作家・前田司郎のオリジナル脚本による監督作品。小説家やシナリオライターとしても活躍する前田の映画監督作は、「ジ、エクストリーム、スキヤキ」に続いて、これが2作目となる。北品川の食堂で暮らす女子高生・果子の前に、18年前に死んだはずの伯母・未来子が突然やって来た。ある事件を起こし、前科持ちとなってしまった未来子の登場に、慌てふためく家族。そして、果子は自分の部屋に図々しく居候する未来子にいら立ちを隠せなかった。退屈に思われた果子の夏が、自分が本当の母親だという未来子の出現によって、特別な夏へと変わっていく。未来子役を小泉、女子高生・果子役を二階堂がそれぞれ演じる。(映画.comより)



 小雨のテアトル新宿にて。火曜日はTCGカード持っていると千円の日。このところヒューマントラストに月に二、三回行っていることもあってさすがにヒューマントラストでも使えるし作ろうと思って作った。『ふきげんな過去』ver.のカードだった。客層は平日の初回、11時ということもあるのか年齢層がかなり高かった。二階堂ふみファンな若い子は数えるほどで、キョンキョンこと小泉今日子ファンというか同世代というよりも上な人が多かったように思えた。ちょっと客層は謎。
 監督は劇作家五反田団の前田司郎だけど、演劇を今観に行っているって感じもしない、テアトル新宿という映画館自体のお客さんが多かったのかもしれない。


 これは僕が観て感じただけだから他の人は違うかもしれないけど『バードマン』観た時の感触に近い。マジックリアリズムみたいなものが作品に宿ってるように感じられた。冒頭から品川なので東京湾に通じる川があり、そこでワニが現れてある夫婦の赤ちゃんを食べたという話が出てくる。


 果子が川を監視するように見ている。「いないことを確かめている」という、みんなにワニなんていないと言われたら。そこにかつてあったやすのりちゃん誘拐事件や伯母である未来子が起こした爆弾事件などがあり、死んだはずの未来子が一家の前に現れる。彼女を連れてきた見守っている謎の男は康則であり、このふたりはどうもこちら側の住人ではないようだ。そういう事柄も当たり前に存在している世界、数センチ地上から浮いているような物語なのに、飛ぶことはないようなのは果子と未来子のふきげんで退屈でけだるさがものすごく身近なものとしてあるからだろう。


 そういう意味で小泉今日子二階堂ふみの退屈さとけだるさがまずいい、このふたりがいいというだけでこの映画を観ることをオススメできる。時折、出てくる台詞は舞台的だけどそれが合うのは彼女たちと一家の存在感とワニだったり爆弾だったり、オフビートな笑いに似た言語感覚によるのではないだろうか。ちょい役だが大竹まこと、きたろう、斉木しげるシティボーイズが出ている。


 衣装は伊賀大介さんだった。伊賀さん仕事量すごいな、『世界から猫が消えたなら』『TOO YOUNG TOO DIE!』と最近観た作品で名前を見かけてるけど映画だから、他の仕事も異常なくらいされてるんだろう。『SWITCH』でのキョンキョンの「原宿百景」でのスタイリングが伊賀さんだったから、小泉さん出るし伊賀さんで世界観を統一するようにスタイリングされていたんだろう。なんか伊賀さんが衣装やるとその登場人物がより身近にいるよなって思えるのはなんでだろう。伊賀さんが登場人物の背景まで考え抜いているからというのはあるよなあ。僕が大好きな映画『ジョゼと虎と魚たち』も伊賀さんだったなあ。


 爆弾を作る一夏、ワニはいるのかいないのか、叔母・未来子と果子という名前とその家族の関係性、この世界観大好きだわ。