被害者は高校1年生。加害者は、同級生。被害者の家族は、その死がトラウマとなって長く悲惨な生活を送る一方、加害者は、少年法に守られて、弁護士となるも、被害者に謝罪もせず、補償金も払わない。弁護士ってのがアイロニックで、小説よりも奇なり。
被害者の家族の「加害者を恨むこともできないほどの悲惨」が丁寧に描かれる一方で、加害者のその後は、「加害者の人権尊重」のためもあって、ほんのわずかなページが割かれているにすぎず、加害者側のその後の心理が書かれていないのが(仕方がないけれど)残念だ*1。犯罪被害者のケアを訴え、「更生」とは何かを問う*2という目的のためには、これで十分説得力はあるけれど。
- 作者: 奥野修司
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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