夫婦の愛は取り戻せる(1)−結婚の誓いを果たす

聖書には,夫にも妻にも役立つ実際的な助言が数多く載せられています。このことを驚くには及びません。霊感を与えて聖書を書かせた方は,結婚という取り決めの創始者でもあられるからです。(創世記2:22-24)


結婚に関して聖書が述べていることは現実的です。聖書は夫婦が「患難」に遭う,また「新共同訳」によれば,「苦労」を負うことを認めています。(コリント第一 7:28)一方、聖書は,結婚が喜びの源となるだけでなく陶酔の源ともなり得ること,またそうあるべきであることも述べています。(箴言 5:18,19)この二つの考えは矛盾するものではありません。深刻な問題が起きようとも,夫婦は親密で愛に満ちた関係を得られるということを示しているにすぎません。


あなたの結婚生活にはそのような親密で愛に満ちた関係が欠けているでしょうか。かつては親密で喜びに満ちていた二人の間に,心痛や失望が影を落としているでしょうか。かりに結婚生活が愛のない状態に陥ってから何年もたっているとしても,失ったものを取り戻すことは可能です。


もちろん,現実的な見方は必要です。不完全な男女の中に完全な結婚生活を送れる人など一人もいません。それでも,望ましくない傾向を好転させるためにできることはあります。


では今回のシリーズを読みながら,自分の結婚生活には特にどの点が当てはまるかを考えてください。配偶者の欠点に目を向けるのではなく,自分が実行できる提案を幾つか選び,聖書の助言を適用してください。夫婦の愛を取り戻す上で聖書の原則は、うまく働くことに気づかれるでしょう。


最初に結婚の誓いに対する態度について考えてみましょう。というのは,結婚の誓いをどう見ているか,また配偶者にどんな感情を抱いているかは極めて重要なことだからです。


結婚の誓いを真剣に受け止める

結婚生活の改善を図るのであれば,長期的な視野が必要です。結局のところ結婚は,神が二人の人間を密接に結び付けるためにお作りになった取り決めです。(創世記 2:24。マタイ 19:4,5)ですから,夫と妻の関係は,仕事のようにやめられるものでもなければ,アパートのように賃貸契約を解消して引っ越しさえすれば出ていけるといったものでもありません。


それどころか,結婚した時には,何が起ころうとも,配偶者から離れないという厳粛な約束をしたのです。結婚の誓いが非常に重要であることは,イエス・キリストが2,000年ほど前に結婚した男女に関して述べられた,「彼らはもはや二つではなく、一体です。それゆえ、神がくびきで結ばれたものを、人が離してはなりません」という言葉にも示されています。(マタイ 19:6)





結婚の誓いは真剣に受け止めるべきもの


それで、聖書の神は、結婚の誓約を生涯にわたって守るように求めておられます。結婚の絆は、姦淫という根拠によってのみ、潔白な配偶者が終わらせることができます。それ以外の根拠による離婚は、神の前に受け入れられません。


それで、例えば、性格の不一致で離婚した夫婦は、神の前に依然として夫婦ですから、どちらかが再婚するとそれは神の前に姦淫を犯したことになります。(マタイ19:9)それで、聖書の神エホバに受け入れていただきたいなら、結婚の誓いを守り続ける努力が必要です。


自分たちが一緒に暮らしていることは,二人が結婚の誓いを守っている証拠ではないだろうかと言う人もいるかもしれません。なるほどそうかもしれません。しかし,この一連の記事の冒頭で述べたように,一緒に住んではいても,よどんだ水域にはまり込んだかのように,愛のない結婚に縛られている夫婦もあります。しかし,二人の目標は,結婚生活を楽しいものにすることであって,ただ耐えられる程度のものにすることではありません。


聖書は神が結婚した夫婦の関係が良いものであることを望んでおられることを示しています。結婚関係をなおざりにするならば、神への祈りが妨げられ、神との関係に影響が及ぶかもしれません。(ペテロ第一3:7。エフェソス 5:33)


結婚の誓いをどれほど真剣に受け止めているかは,配偶者に対して言うことに表われます。例えば,口論の真っ最中に,「出て行ってやる!」とか,「もっと大事にしてくれる人を探すわ!」などと,軽率な発言をする夫や妻がいます。本気ではないとしても,そうした言葉は結婚の誓いを徐々に崩していきます。扉は常に開いており,必要とあらばいつでもそこを通って出て行くつもりだということを暗示するからです。


結婚生活に愛を取り戻すには,会話の中でそうした脅し文句を言わないようにしなければなりません。いつ引き払うとも分からないようなアパートの部屋をきれいに飾りたいと思う人がいるでしょうか。では,長続きしそうにない結婚生活の改善に取り組むことを,どうして配偶者に期待できるでしょうか。ですから,解決に向けて真剣に努力する決意を固めてください。


ある妻は,夫との間がうまくいかない時期を過ごしたあと,そのようにしました。「たしかに夫を不快に感じたこともありますが,別れようと思ったことはありませんでした」と彼女は言います。「どんな問題が生じた場合でも,何とかして元の状態を取り戻すことに努めました。2年間にわたる激しい波風の立つ日々も終わり,今ではまた,一緒にいられてとても幸福,と心から言えるようになりました」。


そうです,結婚の誓いを果たすのは共同作業です。それは同居するだけのことではなく,共通の目標を目指して努力することです。とはいえ,現時点では,義務感から結婚生活を続けているにすぎないと思えるかもしれません。もしそうであるとしても,落胆することはありません。愛を取り戻せるかもしれません。それにはどうすればよいでしょうか。

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以上は目ざめよ!2001年1月8日号「夫婦の愛は取り戻せる」を再構成したものです。「夫婦の愛は取り戻せる」は(1)〜(4)のシリーズです。(1)結婚の誓いを果たす(2)結婚生活を守る努力を払う(3)配偶者に対する話し方(4)口論を鎮める方法です。



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