今夜の円売りの主犯

値幅トップはポンド円だが、

変動率から見て、本日最も円売りに影響を与えているのは
ユーロである。

ユーロ円の買い上げの強烈さが
ユーロドルの買いへと派生し
その値幅の強さが、相対のドル売りにあっても

ドル円の下落どころか、徐々にの上昇を導いている。

ユーロ円のこの強烈な上げが粉砕されない限り

円安の地合いを切り崩すことは難しい。

いま最もやってはならないポジションは
ユーロ円の売りかもしれない。

他はさまざま通貨のペアでこのユーロ買い、円売りが起こって
デッドロック状態につき

どのペアを買っても売っても、
大きく勝つことも大きく負けることもできないだろう。

逆に言えば、これからなにかの拍子でユーロ売りが発生すれば
円、ドル関係なく
相場は強烈な下落となるだろう。

とはいえ、すべての鍵は、やはりダウとなる。

金曜の余波

金曜、下げトレンドライン抜けのサポートから突如反発の
ダウ・グローベックスの押し上げは、
やはり、月曜にも引継ぎ、ぱつぱつの頂点まで反発してる。

月曜とはこんなものだが、ドイツやアメリカの要人発言を
無理やり材料視して、ご苦労なことである。

さらには、
米2月シカゴ連銀全米活動指数が予想外のマイナスであっても、
相場を押し上げようとする。

アメリカがよければよいで楽観相場
悪ければ悪いで、QE3期待で金融強気相場。

どちらに転んでも株高……アホである。

ともかく、
いまは先週半ばからのドル買い、円買いのLCを引っ掛け続けている相場と見る。

その引っ掛けでのLCによって、
ドルストレートは概ね久しぶりのドル安を示現している。

短期のダウントレンドを再び破り、やはりロングだったか
と提灯に思わせる準備は整ってきている。

しかし、このままリスク選好が伸び続けるには
ちょっと、材料が強引過ぎる。

基調はもはや強気ではなく、とはいえ、弱気というのは早計であるが、、
乱高下の状況に入っている、というのが現在の見立てである。

ということで、
週末から週初めの反転基調は
単なる短期的なパジェトの奪い合いとみている。

短期筋のドル買い、円買いのポジションは
あらかた整理されたように思うが、
そうなると、もう一段の押し上げには限界がある。

つまり、このままリスク選好相場には回帰しないとみている。

ともかく、今後の趨勢はすべてダウ次第ではある。

ダウが頭打ちとなれば、次第に現在の反発も収束していくことだろう。

このまま勘違いが勘違いを生み、ロングが継続し続けるようなら
ドルストレートはオーバーシュートし、年初来高値を更新しかねないが、
そうはならないと見ている。

なぜなら、そのような基調に本当に回帰すると心の底から信じている人は
ほとんどいないと思うからだ。

いまはトレンドに追随しながら、
半信半疑で再びの上昇トレンドを作ろうとしているが、
このおそるおそるの挑戦が無謀だと皆が悟ったときに

先週以上の大きな下げが待ち受けていることだろう。

ドル円が85円に届かないという先日に続いて
さらなる予測を挙げたい。

相場がいま囃し立ててやまない、QE3。

これはないと見る。

コモディティや金、原油が上昇基調にあるなかで、
ドル安シグナルのQE3を行えば、世界は恐慌への道へチェックメイトとなる。

世界はいまグローバル化しており、
アメリカがいくらジャブジャブの金融緩和で、金融相場を作り出そうとも
世界の経済が縮小すれば、アメリカだけが助かるということはない。

FRBが馬鹿でないかぎり、QE3は行わない。

それによって、株は暴落するかもしれない。
しかし、それが世界経済の真の回復のための毒抜きとなる。

QE3が行われれば、株は上昇基調をたどるだろうが、
その影響における世界経済への打撃は
世界経済の回復を、不可能なまでに困難にしてしまうことだろう。

一時しのぎの金融相場で世界経済崩壊へのトリガーを引くか
辛くとも、まっとうな回復を目指すか。

まともな頭なら、選択は決まっている。

無論、相場のグリードたちはまともな頭をしていないので、
QE3をはやしたて、今日も買い狂う…。

嗚呼…。