貧乏性日本一決定戦


 (あ)は貧乏性である。貧乏は言うまでもないが貧乏性なのだ。我ながら、自分を上回る貧乏性は少ないだろうと思う。つまらないことを「あーでもない、こーでもない」と考えすぎて疲れてしまい、結局投げ出してしまうこともある。分かっていながら、どうしようもない。サガなんだもん。
 そんな自他ともに認める貧乏性の(あ)が、「もしかしたらコイツも貧乏性なのでは?」と思う相手、それは(た)である。日頃は土日を中心にルーシーの世話をしてもらっているが、ゴールデン・ウィークには期間中、全面的にお任せしている。これはなかなか大変だと思う。平日担当の(あ)でも、サロンパス(最近は、使い捨てがもったいないから、サロメチールにしているんだけどね。汗をかくと、塗ったところが痒くなるのが難)を手放せず、自分が疲れた時は、ルーシーの散歩の時間を減らすことばかり考えている。
 普段の(た)の生活と比べると、ここ数日はキツイだろうし、疲れがたまっているはずだ。昨夜も「腰が痛い」というので、(あ)が「じゃあ、明日の朝の散歩は、私が連れて行こうか?」というと、少し考えて「イヤ、良い」と答える。「たまの休みだから、ルーシー・サービスをしてやろうと思っているのね」と思ったが、それは違うことに気がついた。昨日、阪神が勝ったから、早起きしてスポーツ新聞を買おうと考えているのだ。一瞬、同情して損した!!
 大体、当日はテレビで試合終了まで見ていながら、どうして深夜のスポーツ番組を見て、翌日はスポーツ新聞を買わなきゃいかんのか?それは、阪神ファンにありがちな貧乏根性のせいである。次にいつ勝てるか分からないから、一試合でも勝ったら、その勝利の味を噛みしめ反芻する。アンタは牛か?!
 およそ20年も前のことでも「掛布・バース・岡田の三打席連続ホームランは・・・」などと反芻しているところを見ると、勝利の味は消化することなく未来永劫、第七の胃に取っておこうとしているようだ。グリーニーズと違って全く腸閉塞を起こす危険性がないのは、阪神タイガースが常勝軍団ではなく、そもそも第七の胃に取っておくべき勝利の記憶が少ないからだ。どーでも良いけど、新聞ゴミくらいは、言われなくても自分で片づけてよ!!
 ルーシーにかこつけてスポーツ新聞を買いに行くことに幾分罪悪感を感じているせいか(た)は散歩以外にルーシーを連れて出かけようとする。「疲れた。あ〜、しんど」「腰が痛い」と言いながら、(あ)が「明日から天気が下り坂らしいよ」と言うと、その次の瞬間(た)は「じゃあ、どっか出かけるか?」と言う。
 (あ)は「会社で着ている制服を洗濯するなら、今日した方が良いんじゃないの?」と言いたかっただけなんだけど。
 
 
「ド執念G倒!矢野 サヨナラ打」をご参照。(た)