ロンドン最終日


きょうは、一日オフの予定
けれど、疲れがたたって、9時まで起き上がれず
荷物も出しに行かないといけなくて
気がついたら、11時

そとは止まないタイプの雨だし
行きたかったホックニーの回顧展は、チケットが取れなかった
悲しみに暮れながら、昼、おやつと
好きなカフェを、はしごする

プリムローズ・ヒルを散歩し
今度は、本屋をはしご
大学の構内をウロウロしたりもして
なんだか、結局いつも通りだなあ、と
思わず、ちょっと笑ってしまう

わたしは、いつだって、こんな感じだった
いまはもう、ここに住んではいないけれど
それでも、なにも変わっていない


それにしても
わたしがここに住みはじめた時から
もう、7年が経って
それでも、大学在学中、ずっと通い続けた店が
ほとんど全部、いまも残っているというのは
回転の早いロンドンでは、本当にすごいことだ

とくに個人経営の、小さなカフェなどは
来るたびに、店がまだあるかと不安になる
でも、カフェに関しては、まだ好きな店が閉じたことはなく
ありがたいなあと、いつも、思う

勉強も、息抜きも
わたしのロンドンの思い出は、いつだって
カフェとともにあるのだった




ロンドンには、わたしの
“選ばなかった人生”がある
その事実は、ときどき、わたしを切なくもさせるけれど
でも、それがここにあるというのはとても重要なこと

この街と、わたしがここで過ごした時間
そして、これからここで過ごす時間を
ほんとうに、愛している


わたしの、新しい仕事は
まだ、始まったばかり

今度来るときには、もっと、自信を持って
この街を歩きたい