面倒な仕事を端から片付けた、きょう
ケーキで自分をなぐさめる

やりきった、ということで
さあ、あとは、忘れて



きょうは、新しいスウェーデン語の先生と
はじめて会った日でもあった
前の先生は、今月帰ってしまうことがもともと決まっていて
習うことのできる期間が、短かったのだ

緊張しつつ、待ち合わせ場所へ行くと
黒髪で茶色の眼をした、若い男の人が立っていた
すぐにこちらに気づき、
眼鏡の奥から深いまなざしをまっすぐに向け、握手を求めてくれた
その人が、わたしの、新しい先生

すこしの自己紹介で、もう
ストックホルムあたりの方言だと、気づく
方言パレードのわたしの学習歴に、また新たな一ページ
わたしは、先生の出身地にはまったくこだわっていないけれど、
個人教授でストックホルム方言は初めてなので、うれしい


じっくりと話をしてみると、彼は
第一印象以上にシニカルな空気を纏う、シティ・ボーイだった
これまでわたしが出会ってきたスウェーデン人というよりは
ロンドンでの友人たちに近いものの見方と、話し方だ

バサバサ斬ったり、ブラック・ジョークも次々に飛ばすけれど
印象が悪くなることはなく、人好きのする感じ
落ち着いた物腰で、ストックホルムの人にしては早口でなく
こちらの目をとにかくまっすぐに見て、話す


彼は、北スウェーデン生まれのストックホルム育ち、
ご両親はハンガリーの出身なのだそうだ
大学では、グラフィック・デザインを専攻していたとのこと
佇まいや服装の時点で、もう感じた都会らしさは、
もしかしたら育った土地よりも、大学での時間が影響しているのかもしれない

日本に来た理由を尋ねてみると、
文化が好き、あと全然違う系統の言語をやってみたかった、と言う
スウェーデン語、英語、そしてハンガリー語から切り離された場所に
とにかく、飛び込んでみたかったらしい

それで、二年の留学を決めるのだから
さすがスウェーデン人と言うべきか、
これは、彼がとくべつ大胆だと言うべきか



10分、15分経ったころには
もう、だいぶうちとけていた
彼が話し好きだというのも、大きいのだろうけれど
そもそも話が合うし、気も合いそうな気がする

まだ、初回だけれど
新しい先生がこの人で、とても、とてもほっとした


再来年の春まで、一年半
どうぞよろしくね、と、また握手をした

まだまだ勉強が必要な、わたしのスウェーデン
これからもキチンと積み重ねることを、あらためて、誓った