THE BEACHES Tour 2009でCigavettesとBEACHESを観る

THE BEACHES Tour 2009「波に乗りたい〜ハイヒール Hi Heel 編〜」に行って来ました。
熱心にTHE BEACHESを推してくるLyme-Recordsデザイナーのtsun-changが数ヶ月前から「BEACHESのライブが〜」「Cigavettesも出るので・・・」「火曜だから来れますよね」とネチネチと半ば強制気味にお勧めしてくれたお蔭で、無事にライブに参加出来ました。という事で以下簡単なライブレポート。
The Cigavettesのライブは久しぶりというのもあって期待していたのですが、期待通りにビルドアップされた演奏で、特にドラムとリードギターの存在感は増していて、既発の曲も手数が増えていてカラフルになった印象でした。福岡出身という事で非常に近い存在の為、改まってレビュー的な事を書く事はなかったんですが、今回はちょっと書いてみたいと思います。彼らはThe La'sと比較される事も多いと思うのですが、圧倒的にメロディに対しての意識が違っていて、Cigavettesの場合、ほとんどといって良いほどメロディや歌詞の内容が頭に残らない。これは、Cigavettesがあえてサビを排除した英詞に挑戦し続けているというのもあるのですが、演奏力がここまでのレベルになってくると、メロディとか歌詞はあくまでもアクセントとして飛び込んでくるので、他のバンドとは一線を画したタイプのバンドになってきていると思います。もちろん、それはポピュラリティという意味では両刃の刃ではあるのですが、きっと自分達が思い描くバンド像はつかめていると思うし、着実にステップは踏んでいっているはずなので、今後もこの調子で続けていってもらいたいと思っています。だけど、もしCigavettesに多くの人に音楽を届けたいという欲求が強くあるのであれば、あとは導線となる楽曲なのかなとも思います。ともあれ、新しい盤の発売が楽しみであります。ちなみに入手困難になっていたミニアルバム『taste of the sun』が再発になりましたのでぜひどうぞ。Feelies『The Good Earth』みたいなアルバムを作ってくれたら良いのにな。

taste of the sun

taste of the sun

という事でメインのTHE BEACHESTHE BEACHESといえば、ご存知の通り、元々JERRY LEE PHANTOMというバンドが改名して活動しているバンドで、非常にポイントを絞り込んで分かりやすいバンドだと思っていたのですが、本質はちょっと違いましたね。前半はダブやスカを基調としたライブで、混沌とした印象を受けましたが、ギターロックの要素も滲みでた後半はグッと色彩豊かに開けたサウンドになりました。前半のライブの印象ではSOUL FLOWER UNIONとかBo Gumbosが思い浮んだんですが(と思っていたら「魚ごっこのカバーもやったし)、ライブの後半では彼らの音楽的素養が遺憾なく発揮されたステージングで、突発的にBEACHESの様なサウンドが生まれたのではないという事実が浮かびあがっていたように思います。つまりBEACHESサウンドの最も素晴らしい点はその広い音楽の集積があって上でのBEACHESサウンドだという事で、決してコンセプトに縛られたバンドではなく自由が故にコンセプトを設けたバンドという印象を受けました。当然キャリアのあるバンドですから演奏のスキルやパフォーマンスの質も含めて完成度の高いバンドになっているわけで、もっと打って出ていっても欲しいバンドの一つだと感じました。例えば真夏のレゲエフェスとかに出て行っても見劣りしないだろうし、極論、湘南乃風と対バンしてお客さんを引っ張り込むだけの魅力はあるだろうから、思い切った次の展開を期待したいと思います。福岡なら取り敢えずはサンセットライブにも登場して欲しいところ。
これはCigavettesのライブの時も感じたのですが、じゃあこの音楽が届く人に十分に行き渡っているかといえば、決してそうとはいえないと思うし、その辺はもっとアーティスト側から動ける部分もあると思うのですが、自分等もやれる事はコツコツと地味にやっていかないとね。折角良いお客さんが付いている2バンドだけに、もっと広い村に飛び出していかないと勿体無いなと勝手に憂ってライブレポートは終了です。
Hi Heel

Hi Heel