就職内定率の現況

 この春に卒業予定の高校生、大学生の就職内定率は、前年比で過去最大の落ち込みとなっている。特に、大学生の内定率は、「就職氷河期」と言われた2000年前後を下回り、過去最悪。昨年12月1日時点で大学生約11万2000人、高校生約5万3000人が、内定を得ていない。
 厚生労働省の調査では、高校生の就職希望者の内定率は、昨年11月末で68・1%。前年同期より9・9ポイントも減った。高卒予定者の求人が、前年比で4割以上も減ったためだ。受け皿となってきた製造業などの不振が響き、特に北海道・東北の状況は深刻だ。就職希望者の数も前年より1割以上減り、厚労省では「就職が厳しく、進学に切り替えた生徒も多いのでは」とみる。
 一方、大学生の就職希望者の内定率は、厚労省文部科学省の調査では昨年12月1日時点で73・1%。前年同期を7・4ポイント下回り、調査を始めた1996年以降で最低。中部地方の落ち込みが目立つ。リクルートワークス研究所によると、今春の大卒予定者に対する企業の求人は前年より23・5%減った。 (読売新聞 2010/02/26)

 現今のグローバル経済下では劇的な景気回復が不可能である以上、増税して公務員を大幅増員することで「雇用のイス」を増やすしか解決方法はない。「無駄遣い」信仰が強い大衆が主権者である限り無理だが。