トマス・ハリス著菊池光訳『羊たちの沈黙』

池田満寿夫の絵が表紙につかわれている初版を古本屋で発見したのである。トマス・ハリスはくどく、そして面白い。菊池光の語彙(表記)が独特なのは、これはもう多くの人が論じていることだろう。

ハンニバル』でレクター博士からえらい目に遭わされるポール・クレンドラーが、もうこの作で登場しているのが興味深い。メンフィスでのレクター脱走シーンは、映画版のほうがよい。白い布に赤い血が点々とするほうが、かっこいいのである。