RaidWorld Festival@Shibuya AX

ハナミズキ

feat.
Explosions In The Sky
MONO
envy
world's end girlfriend

  

小雨のぱらつく新宿で待ち合わせをしてから、ごはんを食べたり(ビビンバ)電車を乗り間違えたり(間違えなかったら六本木で美術館にいくはずだった/雨が降っていなかったら新宿御苑を散歩するはずだった)渋谷の人気のない道を散歩してからお茶をしたり(写真のカフェでキャラメルチーズタルトとカフェ・オ・レ)してから、Shibuya AXへ。久し振りのらいぶはExplosionsやenvyやworld's end girlfriendの集まる豪華なフェスに(フェスだってことは、チケットをまじまじとみてから気が付いたんだけど)。


轟音の中って、すごく自分の内側を感じられるのはナゼダロウ。全身で音に打たれる時間だった。圧倒的に棒立ちで聞いていた。カラダを揺らすことさえ忘れてしまうかのように。ただただ音と対峙していたように思う。一言で言ってしまえば、あまりに気持ちがよかったのだ。ただただ、気持ちがよくて気持ちがよくて、脳みそが呆けていくようだった。AXの空間がどこまでも広がっていくようだった。ここが何処なのかだんだん分からなくなって。ここが何処だっていいような気持ちになった。音に打たれていると、全身の血液が逆流するような、細胞が新しく生まれ変わっていくような気持ちになった。どんどんアタマが真っ白になってただただ打たれ続けていたと思う。


映像と共に流れていくworld's end girlfriendの世界に住みたいと思った。 envyの叫びが言葉を越えてわたしに届いた。MONOは繰り返し繰り返ししながらわたしの気持ちを高みに引っぱり上げた。そして、Explosions In The Skyは、このままずっと終わらないのではないのかな?終わらないでいてくれたらいいのにと、思わずにはいられなかった。何かが始まれば必ず終わってしまうということを忘れさせてくれる時間だった。激しいのに安らぐような癒されているような不思議な感覚にも包まれた。大きな何かに包み込まれているような、自分の輪郭があやふやになっていくのに、自分が輪郭が持ってここに立っていることを感じずにはいられなかった。わたしはここにいると。最後まであまりにも贅沢な贅沢な濃密な時間だった。



ライブの後は、いつもみたいに耳がぼあ〜んとしてヒトリ深い井戸のそこにいるようだった。隣にいる人と感想なんかをぽつぽつと話したけれど、ヒトリぽつんと井戸の底にいるような感覚にずっと包まれていたっけか。そのまま中央線に揺られてぽつんとしたまま、ねこの待つ家に帰ったっけか。今日も誘ってくれた人、またまたありがとう。




家に帰ってテレビをつけたら、原田知世がテレビでうたってた。歌声があまりに魅力的なことにちょっとびっくり。キセルの曲がすごく似合ってた。彼女はすごく上手に年をとっているのだなと、その姿形にもほれぼれとした。姿形だけでない部分もしっかり伝わってきたし。ムーンライダーズ鈴木慶一爺もいいかんじだった。音に耳をとろりと傾けながら、ゆっくりゆっくりヨーガをしてカラダをほどいた。まだ少し耳がぽあ〜んとしていたけど、いい気持ちのままだった。


追記……


夕べのライブの感想を読ませていただく(トラックバックさせていただきました)。うんうんとうなずきながら夕べの余韻に包まれ直す。読みながら、夕べのライブの会場を思いだす。それぞれの人たちが、すごく寡黙に音に対していた印象の夕べのライブ会場を思いだす。そしてそれはきっとそれぞれの胸の内にゆっくり落ちていったんだろうなあと。よい時間だったんだろうなあと。それぞれの人たちがそれぞれに、包まれるような感覚があったことも嬉しく読む。そんな日曜日の朝。