徐々に徐々に

 自分を甘やかしてはいかんなあと思いつつも、体調管理のほうを優先させていたせいで、ずっと待っていただいていたラブピースクラブさんのエッセイ、ようやくアップしました。私の大好きな漫画『その女、ジルバ』の最新刊についてのエッセイです。よかったらご一読くださいませ。
http://www.lovepiececlub.com/culture/gourmet/2017/07/03/entry_006619.html

 さてさて、なるべく普通の生活に戻していこうと思っている中で、先日は、ゆっくりおしゃべりするのは3年ぶりくらいになる友人と食事をしてみたり。場所は、池尻大橋から目黒川沿いに5分弱歩いたところにある「comodo」というお店にしました。

 こちらのシェフ・松橋さんには、10年以上前に日本橋にあった『フェアドマ』時代から、何度も素敵な時間を演出していただきました。ここ数年は私の体調の問題(というのを言い訳にしてはいけないとは思っているのですが)で、なかなかお料理をいただく機会がなかったの。

 本当に久しぶりの松橋さんのお料理は、やはり素晴らしかった。おまかせコースの前菜では、ホヤのアイスバー風シャーベット(!)にビックリ。マンゴーのねっとり感と味わい、パッションフルーツの酸味と香りの中に、ホヤのミネラル感たっぷりの風味が立ち上がる、ワンアンドオンリーな一品。アンキモとチェダーチーズを組み合わせたテリーヌも、爽やかなのに素晴らしくリッチ。友人がすいすいとあけていく白ワイン、あたくしも欲しくなってしまったわ(もちろん飲まなかったし、友人にも「気遣い無用」ということは伝えていましたわよ)。

 パスタは、ずっと恋しているジェノベーゼ。手打ちの平打ち麺にからんだバジルソースは、鮮烈な香りも、その香りが口の中で立ち上がって広がっていくスピードも、やはり天下一品。どのイタリアンにもあるメニューなのに、どことも似ていない。こういうの、やっぱり好きだわ。

 ブログをお読みくださっていたのか、松橋さんは私の体調のことをご存知のようで、メインのお魚とお肉(友人と半分ずつシェアしました)は非常にさっぱりとした仕上がり。ドルチェもルバーブのクレープで、とても胃にやさしいものでした。最後まで負担なく、するするといただけたのは、そのお気遣いあってのものでしょう。店内にいるうちにその心遣いに気づけて、お礼を言えてよかったわ。

 お店が変わるとメニューにも当然いくつか変更はあるでしょうが、私は松橋さんの作るドルチェの中で、「白トリュフのジェラート」が特に好き。秋も深まったころにお邪魔できたら、もしかしたら味わえるかも。そんな楽しみを抱えて日々を過ごすのも、また楽しそう。

 年をとるということは、楽しみの幅が広まっていくこと、深まっていくことを実感できるということ。素敵だわ。