いろいろ

昨日のおとぎ話のライブには、予想に反して我々と同じ世代の男女がたくさん見に来ていたので、人のライブながらそれがとても嬉しかった。わたしたちの世代もまだ新しい音楽を必要としているんだな、と思って。バンドをやっていない、高校・大学の同級生に会うと、ほとんどの人が未だにスピッツミスチル小沢健二フィッシュマンズなどが好きな人が圧倒的に多く、たとえばスピッツのコンサートなどには東京でチケットが取れなければ地方にだって行くけれども、わたしが「ライブ見に来てよ」と言ってもそんなどこの馬の骨とも分からない奴が出ている恐ろしい所には悪いけど行けない、という態度をされる。別にわたしのライブには来なくてもいいけど、そしてスピッツもすごくいいと思うけど、10年も20年も同じ音楽しか聞かないのは寂しいことだと思う。学校を出て大人になったら、青春の思い出としては音楽を聞くけど、新しいものはたいして必要としてないんだなと思って、悲しい気持ちになる。あと、よく分からないのは「音楽は分からないから」という反応だ。ヴィトゲンシュタインの本が「分からない」っていうのはわたしも分かる。けど音楽「全般」が分からないってどういうことなんだろう。音楽はスーパーでだって、公園でだって、どこだってかかってるのに、自然と耳に入ってくるものを「分からない」という言葉で拒否するのは大変なことだと思うけど。ああ、また文句になってしまったのでここらへんでやめます。けれども、そんな人ばかりじゃないことが分かってよかった。
この前、例のごとくツインピークスを見ようと思ってDVDをスタートしたら、真っ暗闇の中に棺桶が出てきて、そこから鼻に骨がささっている黒人の男が出てきたので、ビックリして停止ボタンを押して、そのまま無かったことにして寝た。朝起きてもう一回確認するとそれは同居人の見ていたスクリーミング・ジェイ・ホーキンスの映画だったのでそのまま見る。どうしてもライブシーンのワルツの曲になると死ぬほど眠くなってしまって、見るのに3日もかかったけどようやく見終わりました。昔からあのズンチャッチャー、というゆっくりしたワルツのリズムを聞くと眠ってしまうのはなぜだろう。すごくおすすめというわけでもないけど、ジェイが太平洋戦争で日本軍と戦った話がすごいので見た方がいいですよ。想像していた戦争と全然違って、赤塚不二夫的な世界というか、谷岡ヤスジ的な世界というか、昨日殺した人間が「よくもやったなー!」と戻ってきてもおかしくないような、本当に恐ろしい話なんで。
楽しみにしていたのにすっかり忘れていて、ようやく「ゆん」を買った。前に山本精一の文章を読んだ時にはこの人がどんな人で、どんな外見だか知らないで読んだけど、今はちょっと知っているので余計におもしろい。あの、いかにも大阪のオッサンといった風貌を思い出すと、犬に噛まれたとか書いてあるだけでおもしろい。本人の外見と、文章の感じがピタリと合っていて素敵だ。

ゆん

ゆん