現状に文句を言ってる暇があるなら、自分で悩みぬいて苦しみまくって、それで「正仮名遣い用かな配列」を作れば良いじゃん……そして、その成果物を心待ちにしている人がいるはず。

(言及:鍵盤(キーボード)に対する不満 | 日本語を活かした情報処處理入門)(トラバ済み)


 配列屋の端くれとして考えるに、私はどうにも
【「ゐ」も「ゑ」もある鍵盤(キーボード)を、あなたはなぜ考えないのだろう。国語を入力するつもりがないとしか思えない。正仮名遣いが合理的か、なんて以前の問題だ。】
……と感じてしまって、仕方がないところです……。


 新かなづかい用のかな配列に「ゐ」と「ゑ」が入っていないのは、そもそも新かなづかいの入力用に配列調製を行っているため……ですよね。TRONかな配列などのように『事実上、人名入力のために「ゐ」と「ゑ」を配字した』というのでもない限り、新仮名遣い用の配列に「ゐ」と「ゑ」を配字したところで、誰も幸せにはなれないんです。
 「ゐ」と「ゑ」が入った、正仮名遣い用のかな配列については、正仮名遣いでの漢字かな下しデータを大量作成した上で、正仮名遣いを日常的に使う方自身が作り、かつ数年かけて評価打鍵することによって完成させなきゃ、お話にならない……と思います。おもちゃではなく、実用配列としての「正仮名遣い用かな配列」を作るなら、それぐらいの強い意志と覚悟が必要となるはずです。


 新かなづかい用のけん盤配列は、すでにたくさん公開されています。
 http://www4.atwiki.jp/japanese_keyboard_layout/
 でも、私が見た範囲では、「正仮名遣い用の、かな配列」は、正直1例も見たことがありません。
 そこには、利用者需要なんて関係ありません……私自身、「私だけしか使わないと解っていながら」新かなづかい用配列を作成して使っています。


 新かなづかい用の配列だって、設計するのは大変なんです。それを作った人たちをバカにするようなことを言うより前に、まず「正仮名遣いの使い手であり、かつプログラミングの知識にも明るい、あなた自身」が、【正かなづかいをするときに使いやすい……という、かな配列としての解法を一つ提示する】べきなのではないでしょうか?


 新かなづかいについては、すでに「プログラミング技術と、パソコンの計算能力を活かして、入力法を作る」方法が提案されています。
 http://www.geocities.jp/rage2050a/GeneKana/
 http://keybor.web.fc2.com/index.html
 そして、こういった考え方は、「仮名遣いが変わったとしても、全く変わることなく、正仮名遣いのために応用できる」はずです。
 正仮名遣いのかな下しデータをたくさん作って、n-gramにかけて分解し、それをもとに「プログラムによって、正仮名遣いに適したけん盤配列を探索する」というプロセスを踏めば、(配列を一から作るよりはよほど精度良く)十分な実用性を持つ「正仮名遣いに適した、かな配列」が製作できますよね。こーゆーのは四半世紀も前(1986年時点)から既に存在していたくらいですから、確かな技術さえあれば、2010年の今になってもなお設計できない……って事はないと思います。


 「正仮名遣いに適した、かな配列」を紹介するための場所は、今のうちに確保しておきました。
 http://www4.atwiki.jp/japanese_keyboard_layout/pages/31.html
 もう、「国語を入力するなと言っているとしか、思えない。」とか言わせるつもりはありませんよ。
 その役目を貴方が背負って、あなた自身が「正かなづかいユーザーにとっての、イノベーター」になるか、あるいは逃げ出すか……選択肢は二つに一つ、だと思います。


 誰かが作るまで待つだけ&待っても出てこないと文句を言うだけ……なんて、そーゆーのはもう、やめにしましょう。1980年代のような「資料も、配列屋という仲間もなかった」時代ならいざ知らず、今はもうそんな時代じゃないですし……。
 今はもう、鍵盤配列の分野に『たくさんの先賢と、たくさんの試行錯誤の記録と、たくさんの実例』があります。そして、あなたは「正かなづかいユーザーにとっての、先賢の一人」になるべきだと思うし、それを為す事が出来ると確信しています。

……ッて、なんか過激なことを書いてますけど、実際には……。

 『正かなユーザーのための、ちゃんとつかえる正仮名遣い用かな配列を作る「技術」のありそうな方が、ついに見つかった!!!』ってところが、うれしくて仕方がないんです……。
 上で思いっきり煽ってみましたけれども、実際に「正仮名遣い用かな配列」の登場を望むかたは、それなりにいらっしゃるはずだと考えています*1


 せっかくの「正かなづかい」が、いつまでも「事実上、ローマ字入力経由でしか使えない」状態であり続ける……ってのは、やっぱり『自然なことではない』と感じています。
 もしも「かな配列」の作成に興味がありましたら、
 http://www.geocities.jp/rage2050a/GeneKana/
 http://keybor.web.fc2.com/index.html
に掲げたお二方のblogを、じっくりとご覧ください……プログラミングについて明るい方であれば、「プログラミングによってけん盤配列を設計する上で、どういったことをすればよいのか」を、把握いただけるはずです。


 私は残念ながら、正かなづかいについては全く明るくない……のですが、「使いやすいかな配列を作る、ということによる効果」は、実際自分で
 http://www12.atwiki.jp/kaede-asuka-layout/
を作り使ってみて、強く感じているところです。
 もしも私が「正仮名遣いに明るくて、かつ今のように配列作りに興味を持っていた」ならば、とっくに「正仮名遣い用の、かな配列」を作っていたはず……なのですが、残念ながら『正仮名遣いによる評価打鍵』ができないので、それはできずにいます。


 作った配列が『使える』のかどうかをテストするには、どうしても『評価打鍵』が必要になります。
 正仮名遣い用の配列をただしく評価できるのは「正仮名遣いを実際に使う、ユーザーさん自身」だけです。


 プログラマーのやすさんは、『正仮名遣いによる評価打鍵』ができて、かつ『プログラミングの能力もある』……ということで、私としては、あなたにぜひとも「正仮名遣い用の、かな配列」を作っていただきたいと、そう考えました。
 どうか、以上について、切にご検討いただきたく、よろしくお願いいたします。

*1:ロマかなによる記述の場合、新仮名遣いよりも正仮名遣いのほうが、絶対に打鍵数は増えてしまう……ので、それと「正仮名遣い対応の、かな配列化」との入力効率差は「新かなのそれよりも、さらに大きい」はずです。新かな向けのかな配列では辺鄙な場所に置かれがちな「ゐ」「ひ」「へ」とか、そーゆーのが「正仮名遣いでのかな出現頻度見に合った位置」に置かれて、かつ『正かなづかいをするときに、快適な運指」を提供できるかな配列が出現すれば、正仮名遣いを日常的に使うユーザーさんにとってのメリットは、結構大きいものになるはず、と考えます。新かなよりもさらに「かな配列化」によるメリットが大きい……ので、新かなユーザーによる『かな配列への移行』よりも、ずっとすばやく『ローマ字入力から、正かなづかい対応配列への移行』が進むでしょうし、一旦そうなれば『正かな系かな配列』がたくさん提案されるようになるはず、とも考えます。……で、月配列系からの分岐設計であれば、それこそ『正月配列群』ってことになるのかなぁ。