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maplecat-eveの日記

2016-01-01 2015年ベストシネマ

[]2015年ベストシネマ

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新年あけましておめでとうございます。さて、毎年恒例年間ベストシネマ。2015年は個人的に素敵な出会いと悲しい別れのあった年でした。人生というものは良くも悪くもホントに上手く出来ているのだなあ、と身を持って感じた一年でした。女性ファッション誌の『Soup.』さんから原稿の依頼があったのは嬉しかったですね。というのも、個人的にはとても新鮮で、すごく勉強になったし、面白かったからです。自分が成長できる人に出会えたり、成長できる仕事に出会えたら、それは本当に幸せなことだ。


前置きが長くなりましたが、2015年はそれこそ出会いと別れの「さよならを身に纏う」素晴らしい作品の宝庫でした。中でもフランス映画の健闘が光ったね。ミア・ハンセン=ラブ、メラニー・ロランアルノー・デプレシャンの新作の女性たちは、とりわけ瞳に焼き付いている。以下、心の20本。


1.『EDEN エデン』(ミア・ハンセン=ラブ)

Eden/Mia Hansen-Love

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2.『アラビアン・ナイト』(ミゲルゴメス

Arabian Nights/Miguel Gomes

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3.『呼吸 -友情と破壊』(メラニー・ロラン

Respire/Melanie Laurent

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4.『あの頃エッフェル塔の下で』(アルノー・デプレシャン

Trois souvenirs de ma jeunesse/Arnaud Desplechin

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5.『QUEEN OF EARTH』(アレックス・ロスペリー

Queen of Earth/Alex Ross Perry

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6.『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』(ロバート・バッドロー)

Born to Be Blue/Robert Badreau

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7.『サンローラン』(ベルトラン・ボネロ)

Saint Laurent/Bertrand Bonello

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8.『イット・フォローズ』(デヴィッド・ロバート・ミッチェル

It Follows/David Robert Mitchell

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9.『山河ノスタルジア』(ジャ・ジャンクー

Mountains My Depart/Jia Zhangke

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10.『While We´re Young』(ノア・バームバック

While We´re Young/Noah Baumbach

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11.『パゾリーニ』(アベルフェラーラ

Pasolini/Abel Ferrara

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12.『フォーカス』(グレン・フィカーラジョン・レクア

FOCUS/Glenn Ficarra,John Requa

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13.『ジャクソン・ハイツ』(フレデリック・ワイズマン

In Jackson Heights/Frederick Wiseman

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14.『007 スペクター』(サム・メンデス

Spectre/Sam Mendes

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15.『ミューズアカデミー』(ホセ・ルイス・ゲリン

La Academia de Musase/Jose Luis Guerin

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16.『アクトレス』(オリヴィエ・アサイヤス

Clouds of Sils Maria/Olivier Assayas

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17.『ローリング』(冨永昌敬

Rolling/Masataka Tominaga

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18.『Me and Earl and The Dying Girl』(アルフォンソ・ゴメス=レホン)

Me and Earl and The Dying Girl/Alfonso Gomes-Rejon

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19.『ババドック 暗闇の魔物』(ジェニファー・ケント)

The Babadook/Jennifer Kent

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20.『子連れじゃダメかしら』(フランク・コラチ

Blended/Frank Coraci

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『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』、『ラブバトル』は昨年のベストに入れたので対象外。どちらも待望の日本公開。『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』の熱狂は感動的だったよ。また、『アンジェリカの微笑み』は一昨年のベストに入れたのでこちらも対象外。近年のオリヴェイラの作品で一番多くの人に見てもらいたかった作品でした。昨年のベストは以下に。


http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20150101


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God Help The Girl


未公開作について簡単に。ミゲルゴメスの『アラビアン・ナイト』は劇場で体験したら間違いなく1位になった作品。ミゲルゴメスは本当にとんでもないところまで来てしまったな、と第1部を見ただけで思った。『QUEEN OF EARTH』は、フィリップ・ガレルが顔の作家を撤退しつつある今、アレックス・ロスペリーが顔の作家の最前線に踊り出たことを告げる大傑作。とにかく新しいんだよね。『イット・フォローズ』は強烈に面白い作品。プールのシーンは暴力的に脳裏に焼き付いてる。ノア・バームバックの新作は個人的には『ミストレスアメリカ』より好きで、エヴァーグリーンなやさしさに溢れている。アダム・ドライバーがよいね!アベルフェラーラパゾリーニ』は本当に夜の映画。パゾリーニの愛した夜。ここには愛情しかないよ。傑作です。『Me and Earl and The Dying Girl』はウェス・アンダーソンの影響にありながら、初めて影響から逃れることに成功した作品。


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Queen of Earth


既にどの作品のことも書きたくなってるのだけど、ジャ・ジャンクーの新作について少しだけ。フィルメックスのQ&Aのとき、中国人の女性のお客さんがジャ・ジャンクーに「(この映画撮ってくれて)ありがとう」と言いながら泣き崩れてしまったのだけど、その気持ちが痛いほど分かるから、本当にもらい泣きしそうになってしまった。『山河ノスタルジア』という映画に描かれた未来は決して未来への予言などではなく、ジャ・ジャンクーが言うように現在の「私たちの住んでいる世界」に他ならない。あれほど悲痛な世界が待っている(というか現実がそれを作りつつある)。それを肯定するでも否定するでもなく映画としてただ大きく描くことに成功したジャ・ジャンクーに惜しみない拍手を送りたい。


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Mountains My Depart


主演女優賞は『はじまりのうた』のキーラ・ナイトレイに。主演男優賞は『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』のイーサン・ホークに。最高にセクシーな映画賞&最高にクールなサントラ賞を『フォーカス』に。アップタウン・ファンク・エンパイアを使うなんて、一体全体どれだけハイセンスなんだ。こんな人どこにもいないぞ。全くもってクソ最高な映画。


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Begin Again


他、『マイ・ファニー・レディ』(ピーター・ボグダノヴィッチ)、『愛の残像』(突き抜けて好きだ)以降の作品では一番好きだったフィリップ・ガレル『L'ombre des femmes』、『ハッピーエンドが書けるまで』(ジョシュ・ブーン)、どれもよかったね。


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She´s Funny That Way


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Eden

さて、2015年は本当に偉大な映画作家と偉大な女優がいなくなってしまった年でもあった。マノエル・ド・オリヴェイラ原節子。二人ともに、いつその報せが届いても不思議ではないはずなのに、いつまでも生き続けてくれるような気がしていた。突然の訃報に触れたときとはまた違う、私たちと映画・歴史を繋ぎとめていた大きなものを失った喪失感。ありがとう、オリヴェイラ。ありがとう、原節子さん。ありがとう、ありがとう。


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2015-12-30 2015年ベスト 50枚 〜音楽編〜

[]2015年ベスト 50枚 〜音楽編〜

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1.Kendrick Lamar『To Pimp a Butterfly』

To Pimp a Butterfly

To Pimp a Butterfly

2015年の一番星は何といってもこのアルバム。ブラックミュージックの歴史を27歳の若者が全て背負った上で、リプレゼンしてしまった。10年に1枚クラスの金字塔


2.Blur『The Magic Whip』

The Magic Whip

The Magic Whip

2015年ブラーとして提示できることを、大人になった才能で料理してみせた感動の大傑作。「New World Tower」のギターアレンジの哀愁、憂鬱。大人になることは本当に素敵だな。


3.Neon Indian『VEGA intl. Night School』

Vega Intl. Night School

Vega Intl. Night School

マーヴィン・ゲイのスピリチュアルなグルーヴさえ身に纏ったネオン・インディアン会心のアルバム。ブラックミュージックへの憧憬が素晴らしいね。チルウェーブ括りの人ではないことは初めから分かっていた。


4.Prince『Hitnrun Phase One&Two』

Hitnrun Phase One

Hitnrun Phase One

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プリンス、全盛期なんじゃないかってくらいアイディア豊富な2枚。西寺郷太『プリンス論』をつまみにするとより味わいが。西寺氏の、『ウィー・アー・ザ・ワールドの呪い』はホント名著です。


5.Janet Jackson『Unbrekable』

Unbreakable

Unbreakable

ジャネット・ジャクソン会心のアルバム。ネオソウル・サイドのジャネットのタイム感が大好きな身としてはたまらない作品。たまにマイケルの声魂が憑依したかのように聴こえる。ジャネットに心からの祝福を!


6.Bilal『In Another Life』

In Another Life

In Another Life

一曲目の、あっJAY-Zのあれだ!なベースラインで黒いリズムの虜になるビラルの傑作。ディアンジェロの復活から続くブラックミュージック・ルネッサンス!の一枚として聴いた。


7.Vince Staples『Summertime´06』

Summertime '06

Summertime '06

ケンドリック・ラマーの新譜と裏表として聴いていた大傑作。昨年のEPで聴けた戦前ブルースの呪いのようなトラックとは全く違う展開だけど、底にある魂は全く同じものを感じる。


8.Ducktails『St. Catherine』

St. Catherine

St. Catherine

2015年、一番透き通ったアルバム。調和という言葉を思い出す。アルバムを通して何かひとつの到達点を目指す迷いのなさ。美しいギターの音の一音一音が祈りのような境地へ向かって紡がれている。私たちの空気との調和。


9.Yumi Zouma『EP 1 & EP2』

EP 1&EP 2

EP 1&EP 2

若者的音楽、2015年の一番星。「Song for Zoe & Gwen」は今年の私的ベストトラック。何かに祈るような、すがる様な気持ちで何度も聴いたさ。素晴らしい!


10.Deerhunter『Fading Frontier』

Fading Frontier

Fading Frontier

ディアハンターの音楽はその現代性と並行するように、どんどん現代のブルースとして響くようになってきている。マスターピース


11.Simi Lab『Page2: Mind Over Matter』

Page2:Mind Over Matter 【通常盤】

Page2:Mind Over Matter 【通常盤】

2014年のアルバムだけど、聴き逃していたので。ワン・ポイント、ワン・ライフ、ワン・ミュージック!DCPRGのライブで初体験だったシミ・ラボのタイム感。トラック、刺激的すぎ。


12.Sunny Day in Glasgow『Planning Weed Like It´s Acid/Life is Loss』

Planning Weed Like It's Acid / Life Is Loss

Planning Weed Like It's Acid / Life Is Loss

シュゲイザー meets ブラックミュージックの、びっくり展開な新譜。大成功だね。


13.Speedy Ortiz『Foil Deer』

Foil Deer

Foil Deer

前作ほどの評価を得れたのかよく分からないけど、断然支持ですね。変異に重なり合うギターとボーカルにポップミュージックとしての洗練が加わった。つまりは最強のオルタナティブロック。


14.Grimes『Art Angels』

Art Angels

Art Angels

各所で大絶賛のグライムスの新譜。


15.Empress Of『Me』

Me

Me

一曲目のアレンジから新しい風が吹く。キラーチューン「How do you do it」の音に踊らせるアレンジの秀逸さ!


16.Cass Mccombs『A Folk Set Apart』

A Folk Set Apart

A Folk Set Apart

あの消え入るような美しい傑作アルバムとは対照的に荒々しく始まる極上インディポップ。シンガーソングライターとして才能の塊だね。


17.Kisses『Rest in Paradise』

REST IN PARADISE

REST IN PARADISE

ダンスミュージックに思いっきり舵を取った傑作アルバム。ハウスミュージック!粘るベースライン!オー、イエス。今年は『EDEN』の年だ。


18.Thee Oh Sees『Mutilator Defeated at Last』

Mutilator Defeated at Last

Mutilator Defeated at Last

現代最高のロックンロールバンド、シー・オー・シーズの問答無用の最高傑作。


19.Mark Ronson『Uptown Special』

Uptown Special

Uptown Special

大ヒット曲「アップタウン・ファンク」のPVは編集のアクション繋ぎが気持ちよすぎて、繰り返し見てしまう。


20.Innocence Mission『Hello I Feel The Same』

Hello I Feel the Same

Hello I Feel the Same

久々のアルバム。アルバムタイトルの通り、"私と同じ感覚"を探して、はじめまして、こんにちはを伝える、ポップミュージック極上の旅。


21.Girl Band『Holding Hands With Jamie』

Holding Hands With Jamie

Holding Hands With Jamie

単純に音の響きがどれだけ強烈なインパクトを人に与えるか、という原初的なことを思い出させてくれるのがガールバンドの強みだと思う。2015年、最高のロックンロールバンド。


22.Lion Babe『Lion Babe』

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2015年R&B一番星。来年発売のフルアルバムが楽しみすぎる。ソランジュの傑作EPの流れで聴ける。


23.Fuzz『供 & Ty Segall『Ty REX』

II

II

Ty Rex

Ty Rex

例によって多作すぎるTy君の新譜2枚はどちらも最高傑作を更新。T-REXのカヴァー集はTy君が現代最高のロックンロールギタリストだということを証明している。強烈サイケギター!


24.Tuxedo『Tuxedo』

Tuxedo

Tuxedo

サマソニのフルバンドでのライブも楽しかったタキシード。ライブはアンセムを聴くような楽しさに溢れていた。みんな歌詞覚えて来てることに驚いたね。


25.Hot Chip『Why Make Sense?』

ホット・チップの新譜は、よりディスコミュージックの黒い部分に近づいていく素晴らしいアルバム。


26.Soko『My Dreams Dictate My Reality』

My Dreams Dictate My Reality (cd)

My Dreams Dictate My Reality (cd)

ソコ・ザ・キャット!女優としてレア・セドゥとも共演経験があるソコの新譜はアリエル・ピンクとのデュエットも楽しい傑作。


27.Dornik『Dornik』

Dornik

Dornik

マイケル・ジャクソンの〜という宣伝文句はあまりに荷が重すぎる気がするけど、マイケル・ジャクソンクインシー・ジョーンズの仕事を彼の解釈で血肉化してみせたこの作品のロック・ウィズ・ユーぶりはとても愛しい。


28.Mikal Cronin『掘

MCIII

MCIII

マイカル・クローニンはファーストがぶっちぎりだという意見は変わらないけど、このアルバムのハーモニーは素晴らしい。前作よりずっと好きです。


29.Lower Dens『Escape From Evil』

Escape from Evil

Escape from Evil

絶妙なタイミングで入ってくるキラキラシンセ、キラキラギターが最高の新譜。「To Die in LA.」を繰り返し聴いた。


30.The Birds and The Bee『Recreatinal Love』

Recreational Love

Recreational Love

いつの間にか中堅どころとしてのクオリティの高さや安定感と捉えられてるような気がするけど、素晴らしいものは素晴らしい。現代版ブルー・アイド・ソウルの更なる進化に舌を巻く。


31.Earl Sweatshirt『I Don´t Like Shit,I Don´t Go』

I Don't Like Shit, I Don't Go

I Don't Like Shit, I Don't Go

ダウンテンポの中に、抑揚の少ないラップの中に、とても荒々しい感情の起伏を感じるのだから不思議。本来ブルースとはこういうものかもしれない。


32.Vetiver『Complete Strangers』

Complete Strangers

Complete Strangers

2015年の極上のサウダージはこのアルバム。夏の終わりを飾る最高のアルバムだったね。


33.Monochrome Set『Access All Areas』

Access All Areas

Access All Areas

懐疑的になる隙を一切与えないベテランの鋭利な魂に拍手。


34.Sleater-Kinney『No Cities to Love』

No Cities to Love

No Cities to Love

スリーター・キニーは近年振り返ることがとても多くて、特に前作の極太なサイケぶりは再評価というより、初めて作品に触れるような新鮮な感覚で聴き直していた。その矢先の復活アルバム。姉さんたちの懐の深さを聴けば聴くほど味わえる。大ファンを公言するエレン・ペイジPVに出ていたね。


35.The Internet『Ego Death』

Ego Death

Ego Death

ブラックミュージック版ステレオラブことザ・インターネットの新譜。来日公演楽しみ。


36.Ibeyi『Ibeyi』

Ibeyi

Ibeyi

イベイー姉妹のデビュー作はゴスペルがうっすら乗る「River」がお気に入り。アルバム全体がレクイエムのようなモノトーンのスピリチュアル性に包まれている。


37.Nao『February 15 EP』

February 15 Ep [12 inch Analog]

February 15 Ep [12 inch Analog]

ライオン・ベイブと共に2015年の極上R&B一番星。ここでもシンセの音がキュンキュンくる。


38.Seapony『A Vision』

A VISION

A VISION

惜しくも解散してしまったシーポニーのラストアルバム。流れるようなギターの繊細な響きに胸がギュッと締めつけられる。シーポニーもイメージとして夏の終わりのバンドだったな。愛してます!


39.Toro y Moi『What For?』

What For?

What For?

現代版ソフトロックをやり始めたあたりからトロイ・モアには複雑な気持ちがあったのだけど、この新譜のドゥービーブラザーズばりのソウル感には文句なくノレた。ミックステープもよかったね。


40.Warpaint『No Way Out』

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2014年の個人的ベストだったウォーペイントの新作EP。このガールズバンドが現代最高のバンドだということをつくづく教えてくれるタイトル曲に尽きる!


41.Fleur East『Love,Sax & Flashbacks』

Love, Sax & Flashbacks

Love, Sax & Flashbacks

大ヒット曲をその年の内にカヴァーするって、昔のモータウンみたいで素敵だ。ジャケットの色彩も素晴らしい。


42.Hop Along『Painted Shut』

Painted Shut (import)

Painted Shut (import)

90年代リバイバルというのはどうでもよくて、Hop Alongが聴かせるのは極上のインディポップの佇まいと、極上のインディポップとしての楽曲、女子ボーカルの突き抜け方。


43.Passion Pit『Kindred』

Kindred

Kindred

サマソニのキャンセルが残念でならないパッションピットのクラップしながらステップ踏み踏みしたくなるキラキラ・ポップミュージック集。過小評価されてる気がする。


44.Unknown Mortal Orchestra『Multi-Love』

Multi-Love (colored vinyl) [12 inch Analog]

Multi-Love (colored vinyl) [12 inch Analog]

メトロノミーの新譜かと見紛う一曲目のキラキラ感に始まる、ちょっと地味に聴こえてしまうくらい懐の深い広義のダンスミュージックへの憧憬の旅。味わい深い。


45.Beach House『Depression Cherry』

Depression Cherry

Depression Cherry

何処か遠くへ行きたいときの極上ベッドタイム・ミュージックは、より夜の感覚を際立たせている。永遠に帰ってこれない気さえする傑作アルバム。


46.Lebanon Hanover『Besides The Abyss』

Besides the Abyss -Digi-

Besides the Abyss -Digi-

ひんやりを超えて極寒のシンセゴシック・ポップ、新作。


47.Jenny Hval『Apocalypse,Girl』

Apocalypse, Girl

Apocalypse, Girl

ジャケットやタイトルの時点で、既に素晴らしい。気まぐれな妖精のように自由な音楽。


48.EL VY『Return to the Moon』

Return to the Moon

Return to the Moon

レコード屋に勤めていたとき、「ザ・ナショナルこそREMの後継者だ」と言っていた素敵な上司の言葉を完璧に裏付ける、ザ・ナショナルのマット・バーニンガーによる新プロジェクト。


49.Belle and Sebastian『Girls in Peacetime Want to Dance』

Girls In Peacetime Want To Dance

Girls In Peacetime Want To Dance

『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』公開にともなうベルセバ・フィーバー、最高だった。クアトロでの爆音『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』には感涙。ホステスのライブで、ああ、この人があの素晴らしい映画を作ったんだって、納得。


50.Natalie Prass『Natalie Prass』

Natalie Prass

Natalie Prass

最高の技術が集結するスタジオレコーディングの黄金時代を思わせるポップミュージックのアレンジが、ノスタルジーの更新に成功している。


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ライブは念願のファレル・ウィリアムスに尽きる!楽しくて楽しくて死んでしまうかと思うくらい踊ってしまった。そりゃあ、ファレル、モテるわけだよ(笑)。以上、駆け足になってしまったけど、2015年は豊作極まりない一年でした。おそらく今ってポップミュージックのルネッサンスです。この楽しいポップミュージックの時代を聴き逃すわけにはいかない!


2015-09-23 「Soup.」11月号 さよならを纏う女優の5本

[]「Soup.」11月号 さよならを纏う女優の5本

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「Soup.」11月号に「さよならを纏う女優の5本」と題して、5本のセレクトとリード文&レビューを書かせていただきました。表紙は石原さとみちゃん。よろしければ是非。


さすが「Soup.」さん、おしゃれな記事に出来上がっていて嬉しいです。ライトな文章の記事ではありますが、個人的には「さよならを纏う女優」という言葉を使うベストな機会でした。


「さよなら」を身に纏う。テーマと季節の変化を感じていただけたら幸いです。


記念に『秋日和』のモダーンガール岡田茉莉子司葉子に言った台詞を引用します。「私たちの友情が結婚までの"つなぎ"だとしたら、結婚なんてつまんない!」。この台詞のことが大好きです。


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2015-06-30 『EDEN』

[]『EDEN エデン』(ミア・ハンセン=ラヴ/2014)

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『グッバイ・ファーストラブ』のラストで文字通り"少女3部作"に「さよなら」を告げたミア・ハンセン=ラヴの新作『エデン』は、「フレンチタッチの栄枯盛衰」という、より大きな物語を題材にしながら、その語り口をよりパーソナルに紡ぐことに成功した傑作だ。『エデン』は、単に映画作家がクラブカルチャーを題材にしてみせたという映画ではない。ミア・ハンセン=ラヴの視点は常にフロアで起こることへ向けられている。無名時代のダフト・パンクの2人が「ダ・ファンク」を流したときの、彗星のごとく現れた新しい才能への驚き、鮮やかなモードチェンジの瞬間(悔しいけどクソかっこいい」という台詞)への熱狂に胸が熱くなる。『エデン』において、カメラはフロアの熱狂と共にある。憂鬱を幸福に変える音楽の強烈なリズム。憂鬱と幸福を高速で行き来してしまう感情の多彩なグラデーション。まず何より、クラブやライブハウスでフロアに向かうときの、あの暗闇の人混みをぬっていく高揚感が完璧にフィルムの触感として収められている。音の鳴っている方へ導かれるあの感覚を映画の手触りとして全く違和感なく体験できたのは、個人的にはおそらく初めてのことだ。ドリンクカウンターでの音の響き方に至るまで、驚くほど完璧に再現されている。たしかにミア・ハンセン=ラヴは自然主義的に映画を撮る作家で、クラブでは耳元で大声で話さなければ会話できないよ、ということは長編処女作『すべてが許される』でも再現されていたが、『エデン』が別次元に素晴らしいのは、あくまでフィルムの手触りとしてそれを体感できるところにある。ええカッコしいのカメラではなく、若者たちと共に生きるカメラなのだ。


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『エデン』は夜の闇を若者たちが歩いていく極めて美しいシーン(この作品の仲間たちが連れ歩くシーンはどれも本当に素晴らしい!)から始まる。全ての呼吸が整ったかのような夜明けの空気に触れた主人公は、「この静けさを音楽で表現したい」と呟く。『エデン』は憂鬱と幸福を行き来することで生まれるこのフラットな感覚に向けられた映画だ。まるで夜明けまで踊った朝の澄みきった感情へ向けてこの作品は向かっていく。反復するリズムの音色に様々なグラデーションがあるように、この映画自体が何気ない反復のグラデーションに溢れている。


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初めて男性=DJを主役に置いた映画でありながら、ミア・ハンセン=ラヴは男性を通り過ぎていく女性に様々な色彩のリズム、グラデーションを丹念に与えていくことで、男性の魅力に逆反射させるという高度な演出に成功している。前3部作で昇華させた女の子の一人称(的)語り、自身の一番得意な演出を様々な女性に援用していくことで相対する男性を描いてみせるという深化。主人公が恋人と過ごした最良の時間のリアクションが、元カノになった恋人との再会によって全く違うリズム、感情のグラデーションとして次々と反復される。恋人たちのかつて一致していたリズムが、別々のリズムを刻んでいることを身を持って知ることになる。一見別れたあとの幸福な関係のように見えながら、しかし分かりやすい残酷さともまったく違った、その余白へ向けて映画は走りだす。すべてはフラットな静けさへ向けて。その意味で主人公が「音楽=(リズム)を止めてくれ!」と叫ぶシーンを涙なしでは見れない。


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『エデン』は憂鬱と快楽の間を行き交いながら、その熱狂とパーソナルな抵抗をカメラと共に生きる。恋をすることも夢に敗れることも皆で合唱することも、この箱、このダンスフロアに全部ある。何より、この世に踊ってる女の子ほど美しいものが他にあるだろうか?パリ・イン・ザ・ハウス!


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[追記]『エデン』では2013年に至るまでダフト・パンクの曲が要所で軸になっていて、この作品を経た後だと2013年の新譜が持つメランコリーに深みが増します。


以下、ミア・ハンセン=ラヴと、とてもキュートだったポーリーヌ・エチエンヌ。『エデン』が好きすぎてつらい。

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2015-01-01 2014年ベストシネマ

[]2014年ベストシネマ


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年が明けてからこの記事を読むという方には、新年明けましておめでとうございます。一年の終わりの日にこの記事を開いたという方には、よい新年が迎えられますようにと、一年の始まりと終わりのご挨拶。恒例の年間ベストシネマ。私的なことですが、今年は年の初めから、イースト・プレス様から塩田明彦氏の『映画術』の献本とブログでのレビューをさせていただいたり、自主制作映画『沈黙の世界で猫が泣く』をLOAD SHOWさんでオンライン発表させていただいたり、『ユリイカ』のウェス・アンダーソン特集に論考を寄稿させていただいたり、吉祥寺バウスシアター再生計画HPに文章を書かせていただいたり、ありがたいことがいくつもあった年でした。何らかの形でそれらに触れて頂いた方、言葉を頂けた方全員に改めて感謝させてください。バック・トゥ・ブログ!は毎年初めに思うことですが、なかなか出来ませんね。とはいえ、いつでもここがホームです。


さて、以下に20本のリストを。


今年日本公開で昨年のベストリストに入れてしまったジェフ・ニコルズ『MUD』、ガス・ヴァン・サント『プロミスト・ランド』、マノエル・ド・オリヴェイラ『家族の灯り』、ノア・バームバック『フランシス・ハ』、デヴィッド・ロウリー『セインツ 約束の果て』は対象外にした。改めて『MUD』は超傑作だね。昨年のベストについては以下のリンクを。

http://d.hatena.ne.jp/maplecat-eve/20140101


1.『エヴァの告白』(ジェームズ・グレイ

The Immigrant/James Gray

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2.『グランド・ブダペスト・ホテル』(ウェス・アンダーソン

The Grand Budapest Hotel/Wes Anderson

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3.『6才のボクが、大人になるまで。』(リチャード・リンクレイター

Boyhood/Richard Linklater

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4.『わかってもらえない』(アーシア・アルジェント

Incompresa/Asia Argento

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5.『さらば、愛の言葉よ』(ジャン=リュック・ゴダール

Adieu au langage/Jean-Luc Godard

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6.『ゴーン・ガール』(デヴィッド・フィンチャー

Gone Girl/David Fincher

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7.『ストーリー・オブ・マイ・デス』(アルベルト・セラ)

Historia de la meva mort/Albert Serra

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8.『ジャージー・ボーイズ』(クリント・イーストウッド

Jersey Boys/Clint Eastwood

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9.『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』(スチュアート・マードッグ)

God Help the Girl/Stuart Murdoch

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10.『ラブバトル』(ジャック・ドワイヨン

Mes seances de lutte/Jacques Doillon

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11.『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』(ジョエルイーサン・コーエン

Inside Llewyn Davis/Joel Coen , Ethan Coen

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12.『自由が丘で』(ホン・サンス

Hill of Freedom/Hong Sang-Soo

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13.『A Propos de Venise』(ジャン=マリー・ストローブ

A Propos de Venise/Jean-Marie Straub

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14.『ロング・クリア・ヴュー』(ミア・ワシコウスカ

Long, Clear View/Mia Wasikowska

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15.『ガールズ・ギャング・ストーリー』(ローラン・カンテ)

Foxfire/Laurent Cantet

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16.『ステイ・コネクテッド』(ジェイソン・ライトマン

Men, Women & Children/Jason Reitman

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17.『Redemption』(ミゲルゴメス

Redemption/Miguel Gomes

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18.『ヤング・ワンズ』(ジェイク・パルトロー)

Young Ones/Jake Paltrow

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19.『ナイト・スリーパーズ』(ケリーライヒャルト)

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Night Moves/Kelly Reichardt


20.『やさしい人』(ギヨーム・ブラック)

Tonnerre/Guillaume Brac

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1位は迷うことなくジェームズ・グレイの新作。『エヴァの告白』の画面に張りつめている覚悟、厳しさ。とても小手先の知識や技術で撮れる映画ではない。映画、ナメてかかんなよ!と、私自身激しく反省さえした。たとえば監督と女優の関係一つをとっても、ここには詰めの甘い関係が一切ないのだ。実際ジェームズ・グレイマリオン・コティヤールは演技に関するヴィジョンの対立(大喧嘩だったそうだ)を乗り越えて、この偉大な作品を撮り上げたらしい。マリオンとしては自身のキャリアで培ってきたプランやメソッドを全否定された気分だったであろうことは、画面を見れば容易に想像がつく。『エヴァの告白』において、エモーショナルな表現は全て裏読みをさせる演技であり(劇中に「読心術」という言葉が出てくる)、且つ、裏読みがすべて観客に伝わるようにできている。塩田明彦氏が『映画術』で解説する『サイコ』のアンソニー・パーキンスジャネット・リーの表情を変えないことで渦巻くサスペンスが、全編に渡って展開されているのだ。


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Marion Cotillard in The Immigrant


と、このままだと思わず『エヴァの告白』評になってしまうので話を端折ると、今年の主演女優賞は、ぶっちりでマリオン・コティヤールに!ジェームズ・グレイとの共闘に見事に応えた彼女は現代最高の映画女優の一人になった。私的主演女優賞は他に、『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』のエミリー・ブラウニング『私の男』二階堂ふみ、『ラブバトル』のサラ・フォレスティエ。今後、「遠き山に日は落ちて」のメロディーを何処かで耳にするとき、『私の男』のあの女の子の見た雪の景色を思い出さずにいることはできない。それは二階堂ふみという個人、個体からも離れていくものだ。そこが女優という職業の面白いとこだね。スクリーンへの見事な「投影」だった。主演男優賞は『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホークで。サイコー。そりゃあ、子供たちはパパとママが大好きなわけだ。圧倒的だった。


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Fumi Nikaido in My Man


今年は世評的に評価の高い作品をあまりいいと思えないケースが例年以上に多かった。その中で一本だけ触れたいのはアレクセイ・ゲルマン『神々のたそがれ』。世界の塵を糞尿ごと引き寄せる磁石としてのカメラ、という『フルスタリョフ、車を!』の方法論がエクストリームに進化している。が、『フルスタリョフ、車を!』で絶妙なバランスで設計されていた、フレームの外、上下左右から突拍子もなく現れるそれは、過剰さと引換えに驚きを失っていた。ただ、驚きを失うまでにつき詰めた画面の絶対零度(麻痺する)を思うとき、ひたすらにカメラに向かって微笑みを浮かべる人々を記録する、その残像、そして原点に立ち返ったかのような素晴らしすぎるラストショットをゲルマン遺作の「さよなら」と捉えるとき、涙を禁じえないだろう。


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Hard to be God/Aleksei German


グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンの到達点&ネクストには心底興奮させられ、『6才のボクが、大人になるまで。』には嗚咽のように泣いてしまい(パンフも買えず走って劇場を出たね)、東京国際映画祭で見たアーシア・アルジェントの新作の、何にも勝利せずに勝利した少女アリアには心底感嘆。ゴダールの『青い青い海』の波を追憶する犬の残像がいつまでも消えない2014年デヴィッド・フィンチャーアメリカを射程に捉える大きな作家になり、アルベルト・セラは新作で無時間を往く/逝った。奇妙な笑い声と暗闇の肖像を残像させながら。『ストーリー・オブ・マイ・デス』は大変な傑作だ。『ジャージー・ボーイズ』の強引な説得力には映画の底知れない強さを見た。そしてエミリー・ブラウニングが可憐に画面を舞う『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』に偉大なポップミュージックのプロセスが、待機の時間の集積なのだと教えられた。


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Wes Anderson


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Emily Browning


ジャック・ドワイヨンド級の傑作『ラブバトル』は2015年に公開が決定。嬉しいね。ローラン・カンテの新作、ケリーライヒャルトの新作、ジェイソン・ライトマンの新作は、まさかのDVDスルー。『ナイト・スリーパーズ』(原題のナイト・ムーヴスでいいのに!)の暴力的な夜は劇場で見たかった。ジェイソン・ライトマンの新作は海外ですこぶる評判悪いけど、私は支持したい。。野心作。Bibioの音楽とスマホばかりいじってるティーン、そして大人たちとの模様、マリアージュが素晴らしい。


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Men, Women & Children


未公開作について少しだけ。ジャン=マリー・ストローブの新作は『アンナ・マグダレーナ バッハの日記』にも出演したグスタフ・レオンハルトに捧げられた短編。ゴダール『さらば、愛の言葉よ』の波打ち際には犬が立っていたけど、ここでは亡霊が音楽を演奏している。ミア・ワシコウスカの監督デビュー作は、視点のポイントをズラす子供心のようなシンプルな遊び心をコンセプチャルに昇華した素晴らしい作品。ミゲルゴメスの新作はアーカイブ映像とスーパー8で撮られた映像のコラージュ作品。ジョアキン・ピントの新作のアーカイヴ映像の使い方とも共振する大変美しい作品。ジェイク・パルトローはグウィネス・パルトローの弟さん。ノア・バームバックウェス・アンダーソンとジェイクのことを「同志」と呼んでいた。本人が言及しているようにスピルバーグへのリスペクトを強く感じる作品だが、「同志」界隈との距離感をも内包しているユニークな作品。エル・ファニングが出演している。


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Mia Wasikowska


最後に年末に見つけた素晴らしい二枚の写真を。1956年、髪を切った18歳のジーン・セバーグ。この時一人の女の子が髪を切らなかったら映画史が大きく変わっていたかもしれない(全く大袈裟ではない)、と思うと途方に暮れるほど凄いことだ。当たり前だが、この時のジーン・セバーグは後に起こることを何も知らない。パリに行くとも思ってなかっただろう。「幸せが全てではない」と語ったジーン・セバーグを重ね、涙が出た。


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Jean Seberg


もう一枚はローレン・バコール。この神話的な女優がこの世からいなくなってしまったことに改めて哀悼の意を。


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Lauren Bacall


※見出しの画像はジェームズ・グレイエヴァの告白』(原題The Immigrant)とチャールズチャップリンチャップリン移民』(原題The Immigrant)の自由の女神。震えます。