村上龍の『盾 シールド』。
長めの絵本の様で、でも深かった。
仲良しだったコジマとキジマがある老人から言われた「盾、シールドが必要だ」
という言葉。


綺麗な景色を見たり美しい音楽を聴いたときに震えるところ、
誰かを好きになったり嫌いになったりするときに働く、身体の中心にある
大切で柔らかなもの。それは守らないとどんどん硬くなっていって、そうなると
人間はまるで化石のようになって、感情も感動もおどろきも、考える力も、
何もかも失ってしまうから、盾が必要なんだよっていう言葉。
「じゃあ盾って何なの」と聞くと老人は教えてくれず、その答えが分かるのは
二人が人生半ばにさしかかった頃。



「盾はこれや」ってはっきり言えへん。
人によって色々やろし。
けど、自信とか大切な人の存在みたいに自分の内側にある盾と、
大企業に所属してるとかお金を持ってるとか、自分の外側にある盾があるように
思う。どっちかしかあかんってことはないと思うけど、外側の盾はやっぱり
少し脆いような気がする。私の盾って何やろなあ…
とか考える一冊でした。