おとめ妖怪ざくろ

おとめ妖怪ざくろ

おとめ妖怪ざくろ 4(完全生産限定版) [DVD]

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今期終了第6弾。想定外の当たりだった。
少女向けということであまり感心はなかったが、明治〜大正期という時代設定とどことなく「サクラ大戦」を彷彿とした紹介が気になって見始めた作品。結局、すっかり気に入って最後まで見続けてしまった。感想を言葉で書けば「そつなく終わったねえ」になってしまうのだが、しっとりと物語設定や舞台を13話でまとめられていたのは案外珍しいことのような気がする。ここで終わっても綺麗だし、なんらかの続きがあってもそれはそれでも構わない、という雰囲気。セカイ設定の風呂敷も広さを感じさせつつも視聴者に見せている範囲が限定的なので想像の幅も広い。そう、とにかくバランスが良い作品だったように思う。
ついでに言えば、オープニングの曲と絵の見せ方が大好きだった。こういう静動の切り替えがスパスパいくPVは見ていて楽しいね。

それでも町は廻っている

TBSアニメーション・それでも町は廻っている 公式ホームページ

それでも町は廻っている 3 [Blu-ray]

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今期終了第7弾。なんかいつの間に凝視してたアニメだった。
原作自体はOURSで中の上という評価であって、無関心じゃないけど嵌るほどでもない。藤子・F・不二雄な「日常の中のSF(少し不思議)」を町中ホームドラマ調に見せる漫画だし。ただ、それがなぜ新房&シャフトコンビだったのか…という疑問は当初あった。しかも、本編はそのコンビらしからぬ地に足の着いた脚本ばかり。地味だけど引き込まれる話が多く外連味を主とするシャフトらしくないなあと思っていた。んでスタッフを見て驚いた…脚本が高山カツヒコ氏。そりゃそういう内容になるわけだし俺も気に入るはずだよ、これは高山氏の得意分野じゃないか。そういや、新房&シャフト色が強いとは言え、高山氏もシャフト作品に良く出てたんだよなあ…と改めて思う。*1
そういう日常劇の中で見るメイド服は、なんかとても新鮮だった。アニメにせよ小説にせよ「メイド」という文法を全面に押し出すものがほとんどだったからあくまで装飾品・背景の一部として扱い続けた本作は、初めてメイドさんと”職業人の服としての”メイド服に魅せられた頃の自分を改めて思い出させてくれた。OPの梅津氏の手による(ハリウッド仕込みの)メイドダンスもとても可愛いし素敵。そしてずっとそういう日常の中のメイド服を見続けていたからこそ、紺先輩のフレンチメイドなバンド衣装にも不覚にも萌えてしまっていた自分が居た。EDで見ていたとは言え作中で見るとインパクトはやっぱ違うな。高山氏が絡んでいた影響かどうかはしらないけど、出てくるキャラの細かい仕草や動きも良かった。女の子達の一つ一つの仕草がいちいち可愛い。特にロック不良娘の紺先輩も、軽く内股で女の子っぽい歩き方をしているギャップは日本的萌の原点を見直した気がする。
そんなわけでメイド分の補給どころか、作風自体に大いに惹かれた一作だった。第二期が作られるにはかなり地味で世間的にも話題にはなり得なかったので難しいとは思うけど。
あ、一つだけ不満があった。エンディング提供の一枚絵、なんでOURS作家陣よりもヤンキン作家陣の方が多かったんだろうか。OURSの作品なんだから、そっちの作家さんにお願いすれば良かったのに。ひそかに長谷川哲也とか平野耕太とか期待してたのにさあ。

*1:新房総監督は事実上名前貸し程度だったんじゃないかな。