下関と門司を旅する

 山口県中国自動車道美東SAで目覚める。

 準備をして、出発。あたりは霧模様。早朝ということもあり、幽玄的な風景が広がる。

 まもなく目的地である下関ICに到着。まずは古戦場である壇ノ浦へ。

 壇ノ浦は、正に関門海峡をまたぐ橋の真下だった。このあたりは海峡の中でもっとも幅員が狭い場所であり、潮の流れが本当に速い。何も知識がなかったら、川だと言われても疑問には思わないだろう。平家物語の解説では「午前と午後で潮の流れが異なるので、源平の合戦の優位に差が出た」という記述があるけども、頷ける話。

 壇ノ浦の古戦場は、また、海底トンネルの場所でもある。歩いて渡れるということで、車をおき、歩いてみる。片道700mほどとのこと。巨大な業務用のようなエレベーターで一気に海底へ。早朝だったこともあり、散歩をしている人が多かった。確かに海底トンネルということは雨にも左右されないわけで、いいコースだろう。

 近くの長府にある高杉晋作ゆかりの寺にも行ってみる。国宝の仏殿があったのだが、これはいまいちピンとこなかった。

 関門海峡近くに戻り、赤間神社へ。ここは壇ノ浦の合戦で亡くなった安徳天皇を祀る神社。かなり新しいが、戦後に修復されたようだ。拝殿の片隅には、亡くなった平家方を祀る石碑があった。
 また、その片隅には怪談で知られる「耳無し芳一」の木像が。ここの話だったのか。。。

 昼食はカモンワーフと称された市場で、ふぐを食べる。一般に開放された市場で、非常に活気に満ちていた。ついでにホタテも。美味かった!

 源平合戦明治維新の歴史、関門海峡の景観、ふぐに代表される海産物の食、と三条件揃った下関は、魅力に富んでいる。

 関門海峡を、戦後すぐに完成したという関門トンネルを通って九州の門司側へ抜ける。こちらはレトロ建築のJR門司港駅を中心としたまちづくりが盛ん。海峡と門司地域のレトロをテーマにしたテーマパーク、九州地方の鉄道発祥の地としての博物館などを巡る。

 時間があったので小倉へも行ってみる。城があるとのことだったが、小倉城のすぐとなりに巨大なショッピングビルがあって、景観としては完全に小倉城が食われる形になっていた。よくもめなかったものだ。

 夕方、フェリーターミナルがある新門司港へ。乗船手続きを済ませ、船の人になる。