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虚をつく練習

空 | 070107

オタというかおれの話だが、全般的に他人の虚を衝くのが苦手だ。好きでもない。理由のあたりを掘っていくといろいろ自分バトルができておもしろいのだが、まあそれは置いといて、最近わりとこの苦手で好きでもない「虚をつく」のトレーニングをやってみている。

  • バスに乗る
  • なるべく前の座席に座る
  • 自分が降りるバス停が近くなる
  • 「次降ります」ブザーの間合いバトル発生

誰がブザーを押すのかバトルの間合い読みは、ただでさえむずかしい。競技化してもいいんじゃないかと思う。ただしそこには「機械仕掛けと人類の美意識の融合を数値化する」みたいな曖昧な感覚が絡んでくるので、なんだろうか、オリンピックでいうなら冬季向けの競技といえるだろうか。前の停留所でドアが閉まった瞬間に早押しするのはフライング、未熟である。次の停留所のアナウンス直後にもコンフリクトが生じるが、ここでの抜け駆けもまた不粋。停留所間の中間距離を過ぎ、行程の 2/3 から 3/4 にかけて降車客の「気」が一斉にブザーへ集束する、その瞬間の和合がすばらしい。

座席は後側が絶対優位。最後部などは車内すべての乗客の動きを見てとれる。逆に前列ほど不利。なにしろ敵手が居るのか居ないのかさえわからない。振り返って確認するわけにもいかない。脳内の敵と脳外の敵が区別できないという高度の戦場。自分より後ろの空間が広ければ広いほど、脳が後方へ拡張していく。背中ごしの闇の領域に幽鬼たちがうごめいているイメージ。己の中のそういったイメージと格闘し、己の外の敵にも勝利する、という高レベルの目標を見据えた訓練。これが熱い。なにげなく、決して素早くなく、当たり前のモーションでありながら先駆けることのできない、そういう挙手→ブザーを鳴らすアクションを達成したい。でも「完璧だ!」と思ったブザーのあと、実際降りる客がおれ一人とかだったりするとちょっと空しい。まあいい。男子が外に出れば七人の敵が居るというが、あれは要するに男子が XBOX Live! につなげば即座に同時八人対戦開始ということであり、バス乗り合わせは XBOX Live! と違っていい具合にマッチングされないので、競技参加メンバゼロの場合脳内 bot で七人ぶん埋めときました、というような理解で。まあバスの乗り合わせが true skill でマッチングされるような社会ってのもイヤか。

なぜおれは機動戦艦ナデシコをおもしろいと感じるのか

ナデシコはおもしろいアニメ作品なのだが、おれの場合それ以外の余計なものが雑多にのっかっている。その傾斜した状況自体客観的におもしろがっているのだがしかし、たぶん他者とは共有できない感覚だ。要するに 90 年代後半の気分を投射しているのだろう。それを思い入れという。あの時代に体験したことは、べつに機動戦艦ナデシコとは何の関係もなく(第一おれがナデシコを見たのは放映終了後二年ほど経ってからだったはずだし)、ナデシコを通して解釈できるおれの思い出などというものもべつにないのだが、重ね合わせや象徴化はそういう情動とは違うしな。関係はないけどなにかが似ているのだ。だからそれぞれが本当には何であるのかとか関係ない。じゃあなにがだ。不完全さがかな。機動戦艦ナデシコというアニメは不完全だ。中でいろんなものが混ざり合っており溶け合っていない。夢見がちではないが割り切ってもいない、ピュアさと諧謔とそれ以外のものが同居して喧嘩している。すごくうまくいっているように見えるときもあるがいまとなっては古臭かったりする。あと何というか、全体を通して感じられる特有のナイーヴさ。文脈的に見れば、あるいはこれが、エヴァンゲリオン後だからこそできた、またはエヴァンゲリオン後だからこうなってしまった、ナデシコの空気感なのかもしれない。おれの 90 年代と通じていると思えるのは、この不完全さだ。ナデシコが中途半端だとすれば、それは時代が(そしておれが)中途半端だったからだと思える。現在もそれをひきずっているのだろう。その点で、エヴァンゲリオンよりもナデシコのほうがピンとくる。あれはああいうものだった、これはこういうものだった、というようにナデシコを見て楽しむことができる気がする。

もうちょっと具体的なレベルまで落とすと、ウリバタケいいねウリバタケ。90 年代前半あたりでは技術部門キャラの代表っていうと(この部門の先祖はヤマト真田志郎青野武とかだ)、まだなんのかんのとパトレイバーシバシゲオ千葉茂氏かなと思ったけど、ナデシコのお陰でおれの中での 90 年代後半にナデシコウリバタケセイヤ飛田展男氏に世代交代したよ。偏屈でありつつ視野は広く、オタ的因業と技術屋魂が音叉のように並行し、甲斐性と子供心の狭間でもがいているあたりまでいくと出来すぎだが、90 年代中〜後盤の理系キャラ描写として相当いいところまでいったと思う。飛田展男氏といえば往年には Z ガンダムカミーユとかやってたんだよな。いわば古代やったあと真田さんやってるようなものだ。ここへきてもう一発当たり役引いてると思うよ。あとウリバタケといえば第 17 話「それは遅すぎた再会」でのヒカルとのホロ苦オタ恋愛未遂エピソードが後引くんだよなどうにも。前後のウリバタケの絵と声の演技の間もじつに深読みビリティに富んでいて良い。

ノート PC 不調

だいぶコキ使っているので全般的にパーツにガタがきているのかもしれない。起動時にあちこちガタピシ言ったり起動しなかったり接続が勝手に切れたり、しかしどこが完全にイカれたということもなく、なんとなく安定しない。というか置いとくぶんには安定動作するんだけど持ち運びがはさまると出先でしばらく安定して使えないという問題。困る。「なにがどうってわけじゃないけど全般的にオーバーホールしてくれる」屋さんとか探すか。買い換えたほうが安く上がったりとかしそうではある。