現代版「勝てば官軍負ければ賊軍」なセカイ

あるいは「勝てばよかろうなのだ」な人たち。


武力行使になれば台湾独立支持派は「戦犯」、中国軍幹部が警告 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
これは火の玉ストレート。

何氏は記者会見で、「台湾の分離主義者たちは大惨事を避けるため立ち止まり、悔い改め、正しい道へと戻らなければならない。さもなくば中国にとってくずのような存在となり、歴史から非難されることだろう」と発言。

 また、好戦的な口調で「台湾問題の解決のため武力行使を余儀なくされた場合、責任を問われるのは分離主義者たちだ。つまり、必然的に戦争犯罪人と見なされる」と述べた。

 中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は先週、台湾との統一のためには軍事力の行使も排除しないと明言している。(c)AFP

武力行使になれば台湾独立支持派は「戦犯」、中国軍幹部が警告 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

でももし中台有事が現実になったらその通りだよね。おそらく中国軍が勝ち、そして敗戦するだろう台湾はその戦争責任を問われることになる。『正義』は後からついてくる。そこに客観的な正当性の有無など関係ない。それこそ今見ている中国共産党中国国民党の関係性だってそのように定まったのだし。


戦争に負けるのが悪いんや!


もちろん世界に平和と安寧を目指す建前としては否定するしかないものの、しかしそれとは裏腹な本音としてはまったく間違っていないことをこの何氏は述べていると思うんですよね。好戦的とか言ってますけども、彼の言葉の正しさは現状の国際関係そのものが証明してもいるわけで。もし国際法に照らして不法な武力行使があったとしても、「事後に」台湾を占領した中国へ原状回復を要求できるかというと……、まぁクリミアを見れば解る話でしょう。
ロシアによるクリミア・セヴァストポリの編入 - Wikipedia
中台関係の話は70年前だろうという過去の話だという反論ですら、つい最近2014年のクリミアの一件で容易に否定できてしまう。現実に私たち日本だけでなく、ヨーロッパも、アメリカも、そして国連ですらもああして国境線が動かされたクリミアに対して実効性のあるモノとしては何もすべがないわけでしょう。併合を認めないと言いつつも、しかし黙認としか説明しようのない現状。
今尚、いや21世紀という今であればこそ、世界はそういう場所である。国際法? 条約? 国際機関? なにそれおいしいの?
鳩山元首相、クリミアはロシアの一部と認めるよう国際社会に呼びかけ - Sputnik 日本
きっと、日本でも平和友愛な人として名高い鳩山さんであれば、たとえ武力行使があろうと
「私は個人的に、台湾が歴史的に中国の領土だと考える。蒋介石が独断で台北へ遷都し、台湾問題が起きた。今日、台湾は中国領だと、国際社会によって認められる必要がある。もし日本が台湾を中国の一部だと認めれば、日本の例に倣うよう、欧州諸国の背中を押せるだろう」
と擁護してくれるんじゃないかな。歴史的経緯を無視し独立を望んでいる台湾こそに責任が問われるべきなのだ。
数十万人が死に数百万人の難民を発生させたシリアに対してまったく冷淡な私たち日本人の態度が証明している様に、自分たちの平和こそが一番大事なのであって、別に他国の人命が戦禍によってどうなろうと知ったことではないもんね。命の重さは国境で決まるのだ。そもそも武力行使に武力で抵抗する方が悪い・自業自得なのでは? 武力に武力で抵抗することは平和主義ではない、戦争犯罪である。
 

「台湾問題の解決のため武力行使を余儀なくされた場合、責任を問われるのは分離主義者たちだ」
中国のこうした愉快な確信は、私たちのすばらしき平和を愛する気持ちが支えている。いやあ平和を愛する気持ちってすばらしいよね。
これからも日本のヘイワケンポーと共に守っていこうね。何しろ国際平和とはそうした正義と秩序を基調とされているのだから。今の国際関係の現実がそうなっていないように見えるのは、それはアナタの現実の解釈が歪んでいるからなのだ。


世界が平和でありますように。
(次こそは「勝つ」側にいたいよね)