「私の願いは、あなたと付き合いたい」
てっきり拒否されるかと思ったら
「はい。わかりました。それがあなたの願いなら
それに従います」
ほんと！嬉しい。
「でも、本当に私で良いのですか？」
と悪魔の女の子は眼鏡を掛け直して言った。
もちろんよ。あなたは私の好みのタイプにぴったりよ。
「ではあなたは悪魔である私との契約が成立いたしました。
ならば私はあなたのどんな要求にもすべてお応えします」
すべてって、例えばあんな事やこんな事や、アレもコレも？
それを聞いた小悪魔は、尖がった耳を赤くして恥ずかしそうに、
消え入りそうな声で、
「はい・・・契約ですからどんな要求でも」
あれ？あなたって、アレの経験は無いの？
「・・・はい。私は持てないので殿方とも、ましてお姫様の相手も
致した事はありません」
そうかぁ、あなたのお初は私が頂くのか。
「あの〜よだれが出てますよ」
あわてて口元を拭くと、
じゃあ、さっそく布団を敷かないと、
「はあ？布団ですか。ベッドで無く」
そう布団。ってそっちかよ？！
まあね日本人だからね。私はいつもお布団でいたすよ。
「そうですか。今すぐにいたすのですか」
そりゃあ、あなたも初めてだから今すぐにってわけにも
いかないから、そのうちにね。
ところで、あなたは何歳なの？
「私は、JESUSと同じ年に生まれましたから」
JESUSって？
「あ、主イエス・キリストの事です」
えー？！って事は、あんたは、２０１８歳！
さすが悪魔ね。それで名前は？
「主と一緒に生まれたのだから、神子です」
ふうん。かみこちゃんね。いい名前ね。
それで、その契約ってのいつまで続くの？
「契約は永久に続きます。あなたが裏切らない限り」
はあ？裏切りって？
「契約違反は、一つだけあります。
あなたが私の信頼を裏切り傷つけた場合だけです」
具体的に言うと？
「詳しくは言えませんが、私の気持ち次第です」
ふうん、例えば私がSM好きであなたを殴る蹴る、
鞭でしばいたりしたら？
「そういう趣味があるんですか？」
いやいや、精神的にはともかく、行動には示さないから。
「ですか。そのような行為は私が耐えうる範囲なら容認します」
それと、私が他の子を好きになって浮気をしたら？
「多少の事は眼をつぶります。ただしやるなら私の見えない所で」
じゃあ、極力かみこの見えない所でね。
それを聞いてかみこは小さい声で、
「浮気はやるつもりか」
あ、何か言った？
「いえ、なんでもないです」
あのう、それが違反となったらどうなるの？
「違反かどうかは、私が悪魔界の支配者であるサターン
に訴えて裁判になって有罪か無罪か決めます」
それで有罪になったら命をとられるとか？
「あ、それはあなたの魂（たましい）を頂くだけです」
なんだそれだけか。って！魂をとられたらどうなるの？
「普通に生きられますよ。でも、あなたは人形になりますが」
ブルブル、人形になるのは嫌だな。アレも出来なくなるし。
頑張ってあなたの信頼に応えるわ。
「わかりました。私も決意しましたから、
どうぞお布団を敷いてよろしいですよ」
そうあらたまって言われるとやりにくいけどね。
それでも布団を敷く。
かみこは服をすべて脱ぐと布団の上に正座をして、
「これから長らくよろしくお願いいたします」
と深く頭を下げた。
わたしも、同じように裸になり、正座をして頭を下げた。
「これからお互い仲良くして行こうね」
終り。
