そんなことはどうでもいいんだ。

名前欄の姓に「田」と書いた。田とかいう社会党の議員にそんなのがいた記憶がある。
ぞっとした。自分は社会党など支持していない。自分は政治には興味がないし、自民党は嫌いだが、それを公にすると自分に不利益が及ぶ事を知っていた。(もちろん実際にそうなるかは別だ)必要事項を書いて、女性の店員に用紙を渡した。店員はなにやら
端末に情報を打ち込んで自分のIDとそれとの照合作業をしているようだった。
その作業姿は見苦しく、まだ豚の排便姿のほうが100倍ましだと思ってしまうくらいだった。その糞三つ網のヘアースタイルは店のルールなのかよ、とも思った。酷い不細工でもないが、どこにでもいる20代そこらの艶のない白肌のその店員が作業を止め、なにやらこちらを睨んできた。