絵本カーニバル

インゴ・ギュンター展の隣で開催された絵本カーニバルでは約1000冊の絵本が読み放題.なかなか体験することのない夢のような企画だ.
会場に入った子供達は思い思いに絵本を手に取って読み始める.

絵本が古い旅行カバンに入れられたり,階段に沿って並べられたりして,絵本に「囲まれている」という雰囲気が会場に漂う.しかも,図書館のように,背表紙が見えるようにして本を本棚に並べるのではなく,一冊一冊の絵本の表紙が見れるようにディスプレイされている.寝っころがれる一人用ソファーなどもあって,くつろぐためのおもてなしも配慮されている.

そんな空間で私も子供達に混じって絵本を読みふけった.私が気に入ったのは五味太郎さんや駒形克己さんの絵本.
五味太郎さんの「正しい暮らし方読本」はパターン化された現代人の思考を柔らかく解きほぐしてくれる.
駒形克己さんの切り絵絵本「Yellow to Red」等に代表される切り絵の絵本は,色や形に対するイマジネーションがとても活性化される.http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/conyseye/33/index.html
短い時間だったがたくさんの良書をゆっくりと読むことが出来て私自身も満足した.

このカーニバルを企画された目黒実さんは「絵本は大人と子供の共有物」と言われた.
私は,この共有物という言葉を「つなぐもの」と解釈した.
例えば絵本を子供に読み聞かせをする時,子供の絵本に対する反応や感想に触れることにより,大人は子供との感性の違いを実感し,自分にはない子供の能力に気付かされることもあるだろう.子供と過ごす時間が少ない共働き社会において健全な子育てをおこなっていくうえで,絵本は大人と子供が繋がる時間を演出してれる貴重な存在かもしれない.

台風の目

mich_katz2005-09-06

福岡は朝から台風14号の影響で風が強い.正午を過ぎてから風がとても強くなった.しかし,午後5時を過ぎると風が急に弱くなり,先ほどから蝉や虫が鳴き始めた.
台風の目だ.
台風の目を経験したのはこれが3回目くらいだ.台風が直撃してその中心に居ることができるなんてあまり経験できない.
前回は,2年前のこと.西表島で台風の直撃を受け,石垣島に渡れず現地の宿で台風をやり過ごした.南の島を通過する台風は,まだ勢力が衰えていないから大変風が強い.宿泊した部屋の雨戸はしっかりと閉まらず隙間が空いていたので,今にも吹き飛びそうだった.
やがて静寂が一時.台風の目だった.
その後の吹き返しは凄まじく,台風が過ぎ去った後,大木が傾いたり倒れたりしており,道路の一部は塞がれていた.島民達は復旧作業に追われていた.
今回,午後の強風時は自宅の2階に居たが,突風で揺れるのが分かった.これからの吹き返しもきっと激しいだろう.
今回の台風は速度が遅い分被害が大きい.九州南部では死者もでているそうだ.これだけいろいろな技術が発達し,台風の進路がタイムリーに予測できても,被害はゼロにできない.自然の力は計り知れない.