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2012-02-05 SOPAと「カリフォルニア南北戦争」記事掲載されました

[][] SOPAと「カリフォルニア南北戦争」記事掲載されました 19:58

日経ビジネスオンラインのほぼ月例コラムで、違法コンテンツ対策法案SOPAをめぐる、シリコンバレーとハリウッドの戦いについての記事がアップされました。

違法コンテンツをめぐり激化する「カリフォルニア南北戦争」:日経ビジネスオンライン

ちなみに、この記事を書き終わった後に長男(高校生)に聞いたのだが、次男(小学校高学年)が当日血相を変えて「にーちゃん!SOPAって何っ!?」と彼のところに駆け込んできたらしい。次男がいつもやっているオンラインゲームのサイトがブラックアウトして「SOPAに抗議する」という画面になっていたらしく、それで彼はわけが分からず、困ってにーちゃんに頼ったらしい。長男はこういう話は詳しいが、詳しく話しても次男にはわからないので「ガバメントが悪いことしようとして、インターネット・ピープルがそれに怒ってる」という説明をしたらしい。えーと、当たらずとも遠からず(^_^;)

そういうわけで、小学生にまで知れ渡ったSOPA、というお話。

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2012-02-04 フェースブックはなぜ別格なのか

[][] フェースブックはなぜ別格なのか 10:01

フェースブックのIPO騒ぎで、また日本のメディアでFBの名前をよく目にするようになった。このところ仕事の修羅場続きでちゃんと読んでいないのだが、見出しだけを見ると相変わらずフェースブックとかソーシャルネットワークとかを、「友達とつながるお遊び」としてしか見ないお年寄りが多いようで、ちょっと気になっている。

マイスペースやMixiとFBがどう違うのかについては、いろんな点があるのだけれど、シリコンバレーにおいてFBがグーグルと並ぶ「リーダー格」となりつつあるのは、「商売」周辺の部分だけじゃなくて、根っこの部分にある技術力のおかげだと私は思っている。それも、ちょっとした軽いベンチャーがみんなiPhoneとかグーグルとかのプラットフォームの上に乗っかって出てくるのに対し、FBはグーグル系と違う、ちゃんとした一つの技術体系を最初から作っていて、「ビッグデータ」という今流行りの潮流の源流の一つになってる、というところが、すごいと思うわけだ。

このあたりは、私が昨年10月に書いたこの記事を読んで欲しい。

グーグルとフェイスブックが「別格」たるもう1つの理由:日経ビジネスオンライン

ネット周辺で4大プレイヤーといえば、グーグル、FB、アップル、アマゾンなわけだけど、最初の二つと後の二つが共通点が多い。グーグル・FB組の共通点は「ビッグデータ」を原動力にしていることであり、まただからこそ「オープンなウェブ」の思想に深くコミットしていて、だから先日の海賊版ソフトウェア対策法案「SOPA」に対して反対の旗頭になったりするわけだ。アップルもアマゾンもSOPAの件では全く表面に出てこない。彼らはハリウッドを敵に回せないからね。(なお、SOPAについては月曜日にまた日経ビジネスオンラインの記事が出るのでそちらを読んで欲しい。)

というわけで、フェースブックはただのお遊びじゃないのだ。だから、インフラになれるのだ。そのコンセプトが、シリコンバレーの本来的な思想と結びついている。まぁこんな話、日本のお年寄りにわからないのは仕方ないのだけど。

のんたのんた 2012/02/04 19:13 「友達とつながるお遊び」としてみていない、って批判してるけど、じゃあ何が違うの、っていう答えになってないよね

jjfmatsujjfmatsu 2012/02/04 21:40 すごいねFacebook!ビッグデータだよ! って言ってるわりに、その例が友達検索だけしか書いてない。
Facebookって、ビッグデータのデータ素材の宝庫だからすごいんじゃないの?まだ、素材だけで、その運用は見えてこないけど、ね

edacsacedacsac 2012/02/05 01:29 『見出しだけを見ると相変わらずフェースブックとかソーシャルネットワークとかを、「友達とつながるお遊び」としてしか見ないお年寄りが多いようで、』

これどの記事?のことか、ご紹介していただければ幸いです。

さて、Facebookについての私の体験からすると、メールを交換したり、一緒に働いていたなどの実際の知り合いならリコメンドされますが、直接のつながりのない世界の人々、たとえば、自分が日本食の料理人だとしたら、フランス料理のシェフを探してコンタクトしたいとき、うまくリコメンドしてくれないようです。膨大なデータとそれを解析する力があれば、そのくらいは簡単にできそうなものです。ある意味、Facebookは人探しには向いていないと感じています。

2012-01-08 発達障害のサイエンス

[][] 発達障害のサイエンス 11:42

このところ、たまたま立て続けにこのあたりの話を人としたので、ちょっと我が家の息子のセラピー状況をまとめておくことにする。

これまでの経緯は下記のカテゴリー参照。我が家は二人の息子(現在上は高校生、下は小学生)が両方とも、それぞれ問題を抱えていた。長男は症状としてはディスレクシア的だったが、ビジョンセラピーで乗り越えている。そのあたり、経過は下記を参照されたし。

[発達障害] - Tech Mom from Silicon Valley

[学習障害] - Tech Mom from Silicon Valley

[視覚発達障害] - Tech Mom from Silicon Valley

次男は、広汎性発達障害と一応診断されているが、ADD的なところもsensory processing disorder(感覚処理障害?日本語の正式名称は知りません)的なところも混ざっている。最初に手をつけたのは「聴覚処理障害」の一部で「ハイパーアキューシズ」と呼ばれるもの。そのあたりはこれまた過去の経緯参照。

[聴覚発達障害] - Tech Mom from Silicon Valley

その後、聴覚以外の部分での問題がどうしても解決されず、病院では診断以外の何もできず、結局近くのクリニックで「EEGセラピー」というのを実施。(これは医療行為でなく、「教育」とカテゴライズされる。)脳波を測定しながらパソコンでアニメ映画を見て、脳波がある程度の範囲を超えて上下すると、アニメ映画が止まってしまう、という仕組み。脳波が極端に低下(ボーっとする)や上昇(コーフンする)すると視覚化されて、自分で深呼吸をするなど、意識して脳波の働きを通常レベルに戻す。

前回の記事に書いたような「脳のアイドリング・レベルを上げる」という全体的なものに加え、特に弱い部分をターゲットにする。最初の検査で、彼の場合は脳のうち、後頭部の右側(人とのコミュニケーションを司る部分、ここが弱いとアスペルガー症状が出る)と、真ん中の部分(感覚を受容する左脳=I/Oと、それを処理して行動の司令を出す右脳=CPUを結ぶ通信回線、ここが弱いと感覚処理障害となる)の働きが特に弱いことがわかっていたので、この部分を読めるところに計測ノード(というのでしょうか??)を貼りつけて、トレーニングを行う。徐々に効果が出てきたかな、と感じ始めたのは10月頃。セラピー開始後約1年弱。

脳波トレーニングの効果がようやく出てきたみたい - Tech Mom from Silicon Valley

その後、PACEという集中力トレーニングを続けている。こちらは、短期メモリー、集中力の維持、音と字の結びつき、といった部分を、レベルを徐々にクリアしていくゲーム的に仕立てたトレーニング。いろいろなものがあるのだが、例えば上下左右に向いた矢印がランダムに並んでいる表を「右、左、上・・」などと順番に読んでいく、などというのは、以前長男がビジョンセラピーでやったものと似ている。目的が違うのでやり方が少し違うが、共通の要素があるようだ。

次男は、この矢印のものや、縦に並んだ一桁の数字に「2」を足した答を次々と読み上げていく、といったものが超苦手で最初のうちは苦労していたが、3ヶ月ほどやってきて、だいぶ慣れてきた。(余談だが、なぜか暗算の足し算・引き算が非常に苦手で、未だに指折り数えないとできない。一方、掛け算は日本語で九九を覚えたのだが、詩のように語呂の良いものを暗記するのは得意なので、掛け算・割り算はクラスでもトップクラス。この訓練で足し算の暗算もできるようになったら嬉しいと期待中。)

行動面では、秋の先生との面談のときには、だいぶよくなってきたものの、未だに集中ができないことが多く、できていないことを指摘されるとフラストレーションから「死んだほうがまし」といったネガティブなことを言うことに先生方は懸念を示して、サイコロジストを紹介されたりした。家ではそんなことはないので、あれは演技だと私は思っているのだが・・

まぁでも、ほんの少しでも進歩があると、急に光が差したような気がするのが母親というもので、今日も今週末締め切りのプロジェクトのための文章を少し書かせたのだが、自分で時間を決めて、携帯電話でアラームをセットし、その時間になったら作業を始め、ちゃんとしたフル・センテンスで自分の考えを書き下し、スペルもかなりできた。(スペルチェッカー使用、ほんの5行ですが・・(^^ゞ)書き終わったら、友達に電話していい、というインセンティブがあったというものの、それだけでも今日の私はなんだか気分がよい。

相変わらず、果たしてセラピーの成果なのか、単に成長しただけなのか、はっきりと判断がつくわけではないが、発達障害・学習障害の「脳のはたらき」というサイエンスとしての分析と、それをもとにした対策という分野は、引き続きとても興味深い。

@kuboyumi さんの話によると、例えば自閉症の人の就業支援体制といったものは、実はアメリカより日本のほうが優しいといった事情もあるようで、何でもアメリカのほうが良いということではないらしい。こうした「社会面」でのサポートも引き続き必要なのだが、発達障害の人を「仕組みのほうをやりくりして受け入れる」のと並び、「サイエンスやIT技術を活用して、現在の仕組みの中でもなんとか機能できるようにする」というのも必要。「スポーツのトレーニング」と似たような感覚で、アスペルガーやADHDの人が自力で普通に、既存の教育や職業のシステムに適合し、彼らの抜群の集中力やクリエイティビティを発揮できるようになれば、本人たちも幸せだし、また社会のイノベーションもますます進んでいくはずだと思っている。

はーさんはーさん 2012/01/09 17:40 釈迦に説法かもと思いましたが一応書きこませていただきます。
気を悪くされたら申し訳ありません。

>行動面では、秋の先生との面談のときには、だいぶよくなってきたものの、未だに集中ができないことが多く、できていないことを指摘されるとフラストレーションから「死んだほうがまし」といったネガティブなことを言うことに先生方は懸念を示して、サイコロジストを紹介されたりした。家ではそんなことはないので、あれは演技だと私は思っているのだが・・

お医者さんと母親が両方いるなら話は別かもしれませんが、その場に母親がいない場合「母親に言えない本音」が出た可能性もあると思います。
少なくともそういう言葉が口をついてでるということは、少なからずその気があるということです(実際に実行にうつすのとは別です)。
子供は親に愛されたいがため気を使って本音を言わないくらいのことは当たり前のようにするので、子供が本音を言えるよう、親は「一切の評価・アドバイス無し」で子供の話を聞く時間を取るように務めたほうが良いと思います。
以上、親に本音を言う度失望して、一切本音を言わなくなった子供(と言っても30overのおっさんですがw)の経験上の言葉でした。

2012-01-02 「第三のキャリア」記事が掲載されました

[] 「第三のキャリア」記事が掲載されました 11:11

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

日経ビジネスオンラインのこの記事は、年末に掲載されましたが、私自身がバケーション中でお知らせしませんでしたので、今更ですがお知らせいたします。米国で通信キャリアの大型合併が実質上政府によりブロックされた件を題材として、世界的な通信競争環境の流れの変化について書いたものです。

超カタイ話で通信事業関連の方以外はご興味ないかもしれませんが、日本でも周波数オークションの是非などの議論で、根底には「通信の競争をどうすべきか」という話が流れており、通信インフラの供給の伸びが鈍り、価格が今後上昇する可能性から、上位レイヤーに長期的にインパクトがある話で、ネット・モバイルなどの事業にも長期的に影響があると考えています。

ご笑覧ください。

米国で「第三のキャリア」は生き残れるか:日経ビジネスオンライン

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2011-12-30 シリコンバレーにおける「ユートピア主義」の大切さ

[][] シリコンバレーにおける「ユートピア主義」の大切さ 08:55

瀧口範子さんの記事に生越さんが噛み付いている。

ジンガもフェイスブックも──腐敗する有望IPO企業 | 瀧口範子 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

昔からそうだし、そうあるべきだよ (生越 昌己(おごし まさみ)) - BLOGOS(ブロゴス)

この批判は半分しか当たっていないように思う。

確かにベンチャー経営者の最重要課題は資金の調達と管理だし、「事業のアイディア」という、単位が小さすぎ不定型すぎて売り物にならないモノを「会社」というある程度の大きさの箱に入れて固定化し、金融商品として流通させるのがベンチャー・ファイナンスであることも間違いない。

でも一方で、シリコンバレーには深く根付いた「ユートピア的理想主義」の文化があり、この「地域的気分」に合わない企業は周囲の支持を得づらいという面もある。支持を得て人気の出た会社には、よい人が集まってくるし、資金も調達しやすくなり、地元プレスからもよい評価を得て、ユーザーも集めやすくなる、という好循環にはいって、地位を確立することができる。この地の歴史から来る、「ゴールドラッシュ一攫千金気質」と「ヒッピーのメッカとしてのユートピア主義」とうい二つの相反する文化がアウフヘーベンしちゃっているのがシリコンバレーなのだ。金儲けだけなら、今なら例えば中国のほうが有望なのかもしれないが、今でもシリコンバレーが「ベンチャーの聖地」として世界に冠たる地位を保っていられるのは、このユートピア主義文化が根強くあるからなのだ。

「ユートピア主義」の要素はいくつもあるが、主要なものを挙げると(1)「世界をよくする」という志、ユニバーサルな価値( プレゼンだけじゃない、世界進出の心得「何の問題を解決するのか」 - Tech Mom from Silicon Valleyを参照)、(2)技術がすごい、(3)独創的である、といったところか。

生越さんの記事にまさに言われているように、日本ではこういうことを「きれいごと」と呼び、「カネがすべてじゃぁ」という体育会系金儲け根性論のほうがウケがいいような傾向がある。でも、シリコンバレーでは「カネごと」だけでは足りず、「きれいごと」要素もすべて兼ね備えていないと成功できないという、さらに厳しい競争がある。そんなこと出来るわけない、と言われるかもしれないが、人間だれしも「仕事と家庭」とか「夢と現実」とかのせめぎあいをなんとかやりくりしているように、ベンチャーでも常にその両方の面をなんとかバランスしている。

そして、膨大な数のベンチャーの中から、たまに全部の要素を兼ね備えて大成功する企業が出る。大変なことだから、そんな成功例は何年かに一度しか出ないけれど、それでもちゃんといくつも成功例があるから、ユートピア主義は廃れない。「ユートピア主義は鼻につくが、カネが魅力だからこの地に来る」という人もいるけれど、何年かごとにやってくる不況でそういう人はだいたい自ら離れていくというセルフセレクションの仕組みもある。

瀧口さんがここで挙げているような、上場のために従業員との約束を反故にするというのは、一番大事な(1)に反するとして「ユートピア主義」でのイメージを損ない、地元の人気に悪影響を及ぼす。資金と並んで「人」の調達が極めて重要なこの地では、実質的にもそんなことしたらよい人が離反しちゃうのでは、という懸念もある。投資家と従業員の利害のせめぎあいで、考えた末にこうやったんだろうけどね。

瀧口さん自身も、長くシリコンバレーに住んで「ユートピア主義」が染み付いているだろうし、またベンチャーの成功要素としてこれが重要ということがわかっているから、「それは違うんじゃないか」と言いたかったのではないか。一般読者にわかりやすいように使った「金融商品に見える」という言い方が誤解を招いたかもしれないけれど、ココロはそういうことだと思う。

今年IPOしたIT・ウェブ系有名企業でいうと、もともとグルーポンとジンガは「ユートピア3要素」面がやや弱く、特にグルーポンは地元企業でないこともあり、シリコンバレー雀の間での人気はいまいち。一方、インターネットラジオのパンドラは全くその反対の極で、「カネ儲け」は下手だが「ユートピア3要素」面で地元の支持が強く、何度も潰れかけてはなんとか生き残ってきた。

そして、来年のIPOで期待の大きいフェースブックは「大成功例」として長く生き残ることができるかどうか。「カネごと」面と「ユートピア」面の両方で、まだ少々不安を抱えているようだが、そろそろ次の大成功例が出てくれないと困る、という気分が当地に蔓延していることもまた間違いない。