「臼井嘉一先生を偲ぶ会」主催者挨拶(2013.12.8)

 「臼井嘉一先生を偲ぶ会」実行委員長の今野です。
 さる10月5日、臼井先生はご逝去されました。
 はじめに、臼井先生への感謝とご冥福を祈って、黙祷を捧げたいと思います。ご起立をお願いします。
 <黙祷>
 本日は、年末のご多忙の中、「臼井嘉一先生を偲ぶ会」にご出席いただき、心から感謝を申し上げます。
 臼井先生は、昨年12月から血液疾患で東京の病院に入院され、経過は良好と伺っていましたが、10月5日午前4時15分、肺炎で急逝されました。突然の悲しみとともに、悔しさで一杯です。
 現職の国士舘大学の教授でもあり、東京において、10月9日に厳かに葬儀が行われましたが、臼井先生から指導を受け、お世話になった元同僚、研究者仲間、教え子の多くの皆さんから、強い要望もあり、臼井先生が多年にわたってご活躍された、この福島の地で、「偲ぶ会」を開催させていただくことになりました。
臼井先生は、1945年10月7日、富山県魚津市でお生まれになられ、京都教育大学をご卒業後、東京大学大学院で研究を続けられ、1982年4月に福島大学教育学部助教授として赴任されました。私も、その半年後に同じ学部社会科に転任してきて、それ以来30年以上の付き合いをさせてもらった関係で、今日の世話役を務めさせていただくことになりました。
福島大学に赴任当初から、臼井先生のご活躍はめざましく、金谷川移転直後の教育学部・経済学部の2学部時代でしたが、教員養成大学における大学院を、東北・北海道で初めて創設し、さらに教育学部長、また副学長・学長として、全学再編の先頭に立って、第3の学部・行政社会学部を創設し、今日の理工系を含む4学域を完成させる点で、臼井先生のご尽力なくしては、考えられないと思います。
国立大学の法人化という難しい局面で、学内行政の先頭に立って学内合意を得ながら、進めてきたと思います。
臼井先生の素晴らしさは、学内行政のみならず、研究者及び大学教員としても、大きな足跡を残されました。
配布資料にありますように、社会科指導論、カリキュラム論などめざましい研究業績を残されており、国士舘に移られてからも、研究をリードされてきています。学部長時代も、7時過ぎには研究室に行き、朝のうちに研究をして、その後、学部長室に降りていくという、その研究にかける情熱は、真似のできないものでした。
教育にかける情熱も素晴らしく、特に教師教育の観点から教育を進められ、それは現場教師になってからも続けられてきました。福島県の教育の前進・発展に大きな役割を発揮されてきたと思います。
輝かしい教育業績、研究業績、学内行政での業績をもつ臼井先生を失ったことは、返す返すも残念で、悔しさが禁じ得ません。
しかし、悲しみだけでは、臼井先生の意にも敵わないと思います。私たちは、臼井先生のご冥福をお祈りながら、臼井先生の教えを受け止めて、さらに前進していくことが、臼井先生の遺志に応える道と思います。
終わりに、ご遺族の皆さんへ、今まで通りのご厚情をお願いして、初めの挨拶に代えさせて頂きます。
「臼井嘉一先生を偲ぶ会」実行委員長  今野順夫