春霞 (はるがすみ)



後(おく)れ居て われはや恋ひむ 春霞 たなびく山を 君が越えいなば

                                  万葉集 巻9−1771


後に残こされて、私は恋しく思うことでしょうか。春霞がたなびく山を、あなたが越えて行かれたならば・・・



この一首は、大神大夫(おおみわのまえつきみ)が、長門守に任ぜられた時に、三輪川の辺での宴の席で詠まれた歌です。



古来「春霞」は歌に詠まれて来ましたが、実は春霞は黄砂のことではないか、と云うような説を、TVで見たか、新聞等で読んだかした記憶があります。少なくとも現在の春霞は、黄砂による現象が多いようです。

伊豆長岡葛城山に遊んだ日は春霞で、天城の山並みも狩野川沿いの町も、煙ったように見えました。珍しがり屋は、又また沢山の霞んだ風景を写して参りました。