歌劇「ドン・ジョヴァンニ」へのコメント

うん、うん、それ、僕も観ました。つまらなくて途中で眠ってしまいましたよ。歌手と、指揮者/オケと、舞台と、三拍子揃ったオペラなんて、そう観れるものではない、ですよね。
スペイン語読みすればドン・ファン、彼は女性を愛そうなどとはこれっぽっちも思わない、女性は自分の欲望を満たすためだけの存在、そんな彼が今度目をつけたのは宮廷の騎士長の娘、さっそく夜這いに出かけると運悪く、騎士長に見つかってしまう、こいつはヤバイ!あせったドン・ジョヴァンニは騎士長を刺し殺してしまう。オペラはここから始る。
色合いが変わるのは第二幕を過ぎてから。オペラ『ドン・ジョヴァンニ』は俄(にわか)にデモーニッシュな色彩を帯びてくる。騎士長の亡霊に「悔い改めるか、地獄に堕ちるか?」と問われてドン・ジョヴァンニは「悔い改めなどするものか、俺は自由でいるんだ!」と叫びながら地獄へ堕ちる。
このオペラは傑作である。内容も深く、音楽もまた、深い。モーツァルト畢生(ひっせい)の名曲、だと思う。
映像は、カラヤン盤も良いが、やはりフルトヴェングラー

ドン=ジョヴァンニ*歌劇 [DVD]

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が良い。音源ならワルター/メトのピンツアhttp://d.hatena.ne.jp/mii0625/20041126盤が素晴しいが、いかんせん、音が良くない。我が愛聴盤はオットー・クレンペラー/ケルンのテスタメント盤、テスタメント(聖書)の名に恥じない大名盤だと思う。

失われた時を求めて(上)作者: マルセル・マルセル・プルースト,マルセル・プルースト,鈴木道彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 1992/06/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (26件) を見る

プルースト「スワン家の方へ」

  • プチット・マドレーヌ

コンブレーにかんして、自分の就寝劇と、その舞台以外のいっさいのものが私にとってもはや存在しなくなってから、すでに多くの歳月の過ぎたある冬の一日、家(パリの)に帰った私がひどく寒がっているのを見て、母は、ふだん飲まないお茶でも少し飲ませてもらっては、と言い出した。私ははじめ断ったが、それからなぜか、気が変わった。母は<プチット・マドレーヌ>と呼ばれるずんぐりとしたお菓子、まるで帆立貝の筋の入った貝殻で型をとったように見えるお菓子を一つ、持ってこさせた。