ベン・ヘップナー(トリスタン)/ ジェーン・イーグレン(イゾルデ)

トリスタンとイゾルデ

ルネ・パーぺ(マルケ)/ハンス=ヨアヒム・ケテルセン(クルヴェナール)/
カタリナ・ダレイマン(ブランゲーネ)
指揮:ジェームス・レヴァイン/ 管弦楽メトロポリタン歌劇場管弦楽団
演出:ディーター・ドルン
録音:1999年12月
グスタフ・マーラーメトロポリタン歌劇場で指揮をした「トリスタンとイゾルデ」からちょうど90年後に上演された舞台映像。2004年12月発売。
指揮、歌、舞台、三拍子揃って素晴らしい上演はそうめったに観れるものではないが、この「トリスタンとイゾルデ」はその三拍子が揃って圧倒的に素晴らしい。簡素化された舞台での心理劇としてのワーグナーはマックス・ケラーの照明の光と影の下、現代における「死と愛」の問題をわれわれに問いかけてやむことがない。

超重量級

↑の DVD http://d.hatena.ne.jp/mii0625/20040111は昨夜、観ようかと思ったのだが、全部で200分以上かかるので今朝観た。そして日記を書いた午後から夜にかけて、まだ余韻が残っていて、ボーっとしている。ヒルデガルド・ベーレンス、ワルトラウト・マイヤーと続いた系譜に終止符が打たれて伝統的な「テノールばかとソプラノでぶ」の世界に回帰したかのような、ジェーン・イーグレンではあるが、それはただ単に外見だけのことで、内実はまさに21世紀のいまを生きている、繊細かつ大胆な女性で、イゾルデを生き生きと演じ、そして歌い切っている。レヴァインもちょっと見ないあいだ(「徹子の部屋」に出たのはいつごろだったかな?)に超重量級になったが(特に顎の辺り)、指揮ぶりは変わらずとてもしなやかである。トリスタンのヘップナーにも同じことがいえるだろう。超重量級の三人が織りなすとてもしなやかで繊細かつ大胆な「トリスタンとイゾルデ」。
Metropolitan Opera Gala