野村HD、トマト栽培 農業ビジネス参入 自治体・企業向けコンサルも(日本経済新聞)

日本経済新聞 2010年8月13日
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819591E3E0E2E3848DE3E0E2EAE0E2E3E29797E3E2E2E2
野村ホールディングスが農業ビジネスに参入する。10月にも新会社を設立し、自治体や地方企業に対して農業の事業化などに関する経営コンサルティングを提供。自社でも千葉県でトマト栽培に着手する。規制緩和が進む農業分野は将来の成長産業になると判断。地方企業などの農業の事業化に早期からかかわることで、野村の将来の収益源に育てていきたい考えだ。


農業の規制緩和を受けて流通や外食のほか、一部の製造業などで企業の参入が相次いでいるが、国内金融機関が農業ビジネスに本格的に乗り出すのは野村が初めて。

 
持ち株会社として資本金3億円で専門会社「野村アグリプランニング&アドバイザリー」を設立。当初は10人程度の陣容で事業を始める。新会社は農業組合法人の和郷園(千葉県香取市)のほか全国の大学の農学部教授らと業務提携や顧問契約を結び、外部の専門家が持つ経験やノウハウも活用する。


顧客には自治体や地方大学、地方銀行のほか、農業に関心を持つ事業会社などを想定。土地取得や事業計画の策定、販路確保など農業経営全般に関するコンサルティングを提供する。野村は全国に170カ所を超える支店網を抱えており、支店が持つ農業に関する情報や人脈も提供していく。


野村は新会社を通じて自らも農産物の生産に取り組み、農業のノウハウを蓄積する考え。当初は千葉県にある太陽光利用の植物工場を借り受け、高糖度のトマトを栽培する。将来は大学や事業会社などと連携し、アンチエイジング食品など高付加価値の農産物の開発や生産も視野に入れている。


野村は数年前から全国本支店を統括する営業部門が中心となって、地域経済の活性化につながる新規事業の可能性を検討。野村が抱える情報やネットワークを活用すれば、農業はビジネスとして成り立つと判断した。潜在的な成長分野である農業に国内金融機関としては早い段階から関与することで、本業の金融・証券サービスにも相乗効果が期待できるとみている。


●関連キーワード
野村ホールディングス、農業ビジネス、コンサルティング持ち株会社、千葉県
持ち株会社[ holding company ]
株式の所有を通じて傘下企業の経営を支配し、グループ全体の経営計画立案などに携わる会社。配当を主な収入とする。特に生産活動などの事業を行わない企業を純粋持ち株会社、銀行や証券会社が設立する場合は金融持ち株会社と呼ぶ。持ち株会社がグループ全体の戦略立案や個別企業の経営チェックを行い、個別企業は経営の独自性を確保しながら、業務の執行に専念する。独占禁止法が改正され、1998年12月に設立が解禁された。
●子会社[ subsidiary ]
一般には、経営権を支配している会社のことを指す。資本の論理でいえば出資比率が50%超の会社が子会社となるが、連結決算が主流になるに従い、出資比率が50%以下(例えば40%程度)でも、社長を親会社から派遣するなど実質的に親会社の支配下にある会社は子会社とみなし、連結子会社の対象となる。子会社は親会社の販売部門や製造部門、あるいは多角化部門など親会社の手足となり、事実上、親会社と一体となって経営をしている会社が多い。
アンチエイジング[ anti-aging ; anti-ageing ]
日本語での言い換えは「抗加齢」「抗老化」。高齢化社会でのヒット商品・サービスのキーワードの1つ。女性雑誌などで使われ始め、2004年に一気に一般化した。ビジネスでの中心は「美容」と「健康」の2分野。肌の美しさを保つという化粧品、健康にいいとされる食品、体形維持をうたう体操教室などが「アンチエイジング」を前面に打ち出し、主として30代から50代の女性の人気を集めている。

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野村HD、アグリビジネスに特化した子会社を10月に設立(日経プレスリリース)2010/08/13
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=258733&lindID=5
野村ホールディングスアグリビジネスに特化した子会社の設立を発表


野村ホールディングス株式会社(執行役社長兼CEO:渡部賢一)は、同社100%出資子会社として、アグリビジネスに関するソリューションの提供を行う「野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社(以下「新会社」)を10月に設立すると発表した。また、新会社の100%出資子会社として、農産物生産事業を行う「野村ファーム株式会社(以下「新会社の子会社」)の設立も合わせて発表した。


新会社は、近年増加しているアグリビジネスに関するコンサルティングファイナンスに関するニーズに対してソリューションを提供し、地域活性化に寄与するとともに、食料・環境・エネルギー問題の解決に貢献する。


新会社の子会社では、実際に農産物の生産を行い、アグリビジネスに関する情報・ノウハウを蓄積するとともに、新会社のソリューション提供などに活用する。


新会社の概要(予定)
1.商号 野村アグリプランニング&アドバイザリー株式会社(Nomura Agri Planning & Advisory Co., Ltd.)
2.設立 2010年10月
3.本店所在地 東京都千代田区大手町
4.代表者 取締役社長:西澤隆
5.資本金 1億5,000万円


新会社の子会社の概要(予定)
1.商号 野村ファーム株式会社(Nomura Farm Co.,Ltd.)
2.設立 2010年10月
3.本店所在地 東京都千代田区大手町
4.代表者 取締役社長:若林滋和
5.資本金 2,500万円


以上
● 関連リンク
野村ホールディングス(株) http://www.nomura.com/jp/

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野村HDが農業参入、経営助言やトマト栽培(読売新聞)2010年8月13日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100813-OYT1T01002.htm

野村ホールディングス(HD)は13日、農業関連ビジネスに参入すると発表した。


新会社を10月に設立し、自治体や地方企業に農業経営に関する助言を行うほか、千葉県でトマト栽培を始める。地域経済を活性化し、金融サービスの顧客拡大にもつなげたい考えだ。企業の農業参入に関する規制が見直され、外食や流通大手などの参入が相次いでいるが、大手金融機関では初めてという。


新会社は「野村アグリプランニング&アドバイザリー」で、野村HDが100%出資する。約10人の体制でスタートし、野村証券の全国173の支店網が持つ人脈や情報を活用する。農事組合法人「和郷園」(千葉県香取市)や大学など外部の専門家の協力も受ける。


新会社が10月に設立する「野村ファーム」では農産物の生産を手がける。温度や光を制御して効率的に農産物を生産する「植物工場」を千葉県で借り、高糖度トマトの栽培・販売を行う。自社で生産まで手がけ、流通・販売を含めた農業のノウハウを蓄積する。生産する農産物の種類を増やすことも検討する。



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野村HD、農業ビジネスに参入-農業経営のコンサルティングや高付加農産物の開発を目指す(IBTimes)2010年8月14日
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/100814/59046.html
野村ホールディングス(HD)は13日、10月に新会社を設立し、農業関連ビジネスに参入すると発表した。農業に関心がある地方の自治体や企業に対してコンサルティングを行うほか、千葉県でトマト栽培を始める。国内の大手金融機関が農業ビジネスに参入するのは同社が始めて。

新会社の名称は「野村アグリプランニング&アドバイザリー」で、野村HDが資本金1億5千万円を100%出資する。農事組合法人「和郷園」(千葉県香取市)や大学の農学部教授など外部の専門家と顧問契約を結ぶなどして得た農業経営のノウハウを、自治体や企業などに提供する。


また、新会社は10月に子会社「野村ファーム」を設立し、農産物の生産を行う。機能性食品やアンチエイジング食品など高付加価値のある農産物を開発することを目指している。当面は、温度や光を制御して効率的に農産物を生産する「植物工場」を千葉県で借り、高糖度トマトの栽培・販売を行う。