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トラウマティック銀幕 ビリディアナ

監督と俳優の名コンビもいろいろあるけど、やっぱり最初が肝心。
こちらはルイス・ブニュエルフェルナンド・レイの初コンビ作品。
お互いビビビ!っときたんだろうなあ。どうビビビ!か感じられるかな?

ビリディアナ

修道女ビリディアナは院長に呼び止められる。伯父のドン・ハイメが会いたがっている。
ビリディアナは気が進まない。伯父は金銭的援助するだけで面会に来たことがない。
でも、院長にすでに手配済みで明日にでも行くよう命じられ、従うしかなかった。
久しぶりに会った伯父は今までの事を詫びるが、ビリディアナは遅すぎると素っ気ない。
とりあえず三夜だけ滞在。伯父が滞在延長を願っても、かたくなに拒否する。
一日目の夜、ビリディアナがイバラの冠を所持していると召使いのラモナがドンに報告。
二日目の夜、ドン・ハイメはレコードを聴きながら亡き妻の衣装や靴を抱きしめる。
そこへ夢遊病ビリディアナ。毛糸玉を暖炉にくべ、灰をつかんで伯父のベッドに置く。
そして、三日目の夜、どうしても修道院に戻したくないドン・ハイメはラモナに相談。
最後の夜ということで、ドン・ハイメはビリディアナに亡妻の衣装を着るよう願う。
亡妻そっくりの姿に喜ぶ伯父。ラモナは言う。「伯父さまと結婚してあげてください」
驚いたビリディアナは席を立つが、ラモナは落ち着かせようとコーヒーを飲ませる。
それには睡眠薬が入っていた。昏々と眠るビリディアナをドン・ハイメは寝室に運ぶ。
心配して付き添うラモナを退室させる。「誤解しないでくれ。そばにいたいだけだ」
ドン・ハイメはビリディアナを抱こうとするが、結局は自制して部屋を出る。
翌朝、目覚めたビリディアナにドン・ハイメは「君を抱いた。修道院には戻れない」
絶望して、それでも荷造りをして出て行こうとする彼女に嘘だったと許しを請う。
ラモナにとりなす暇を与えず、ドン・ハイメを許さなずビリディアナは屋敷を出る。
街でバスに乗ろうとすると、見知らぬ男に呼び止められる。「不幸がありました」
ビリディアナは急いで戻ると、ドン・ハイメは庭の木で首を吊って死んでいた。
遺産はビリディアナと、ドンの隠し子のホルヘに分けられることに。
ビリディアナ修道院には戻らず、屋敷の離れで浮浪者の面倒をみることにするが…。

ビリディアナの贖罪方法はM度抜群。現役修道女の頃から茨の冠や固すぎるベッド、
伯父を拒否して死なせてしまってからは、街の浮浪者を集めて世話すること。
でも、いずれも神は関係ない。あくまで自己流解釈と自己満足にすぎない。
そもそもひとの愛情や感情を理解できていない分、思いもしないしっぺ返しを食らう。
同時代のベルイマンの‘処女の泉’は最後で神に救われるが、こちらは神不在。
信仰って、捨てる神ありゃ拾う神ありぐらいでいいのかもしれないなあ。
今回のトラウマはラモナの娘リサ。縄跳びは足をケンケンパしながら。
ビリディアナの寝室をベランダから覗くために木のぼりスルスル。体育は5だな。