JGPモルドヴィア杯2016 男子SP

JGPモルドヴィア2016

JGPモルドヴィア杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第3戦。男子SPは、現地時間2016年9月15日（木）に行われた。
ISUのライブ放送

にて、SP上位の選手の演技を中心に見た。
上位8人の演技について、滑走順に感想を書いていきます。

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●第1グループ
1 Petr GUMENNIK ピョートル・グメンニク（ロシア）

  • 楽曲：Sirtaki

昨季、ジュニアの国内選手権6位。
冒頭の2Aは高さがあった。3Lz+タノ2T<<はかなり強引にセカンドを付けたが、これが付くと付かないとでは大きな違いなので、ナイストライ☆ タノ3LoはOK。
スピンのレベルは4、4、3。最後のCSSp3で回転がゆっくりになり、手をついてしまったため、GOEマイナス。
バレエダンサーみたいに、美しいポジションとラインを見せるときと、ジュニアっぽいなーと思うときとが混在している。終盤のステップは、レベル3が取れているのだが、だいぶ時間を割いているにも関わらず、そこが今は後者なんだよなー。このプログラムのキモだと思うので、頑張ってほしい。
お、キスクラにはミーシン先生が。お元気そうで何よりです☆
58.43。

2 マティアス・ベロフラドスキー（チェコ）

  • 楽曲：
    • Puttin' On the Ritz by Irving Berlin (Club des Belugas remix)
    • Jolie Coquine by Caravan Palace

今季、JGPチェコスケート9位。
彼にぴったりの素敵なプログラムだなと思っていたら、振付はトマシュだったのかー。
3Lz+3T、2A、3Loと、全てのジャンプが成功！ あとはキレッキレに踊りまくりであった。ステップはレベル4獲得。
スケーティングもリズム感もいいんだよなー。本当に素敵なスケーター。
CSSp4でマイナスされてるのはなぜなんだろう。見返してみたけど分からない…。確かに回転はちょっとゆっくりだったけど、減点するほどかなぁ？
66.31で、SBおよび自己ベスト更新！ 前のPBが54.11なので、10点以上更新である。しかも前のPBって、2週間前、JGPチェコスケートで出したばかりなんだよ！？ すごくない！？
高得点が出て、大笑いするトマシュ。ビックリ＆笑顔のマティアスくんとハイタッチしてから彼の手をぎゅーと握ったままハグ。…どっちもうらやましい。どっちとも代わりたい（///）。

4 Tangxu LI タンシュー・リー（中国）

  • 楽曲：Sand (feat. Karen Whipple) by Nathan Lanier

昨季、ユースオリンピック8位、世界ジュニア25位。今季、JGPチェコスケート15位。
3F+3T、3Lo、2Aと、全てクリーンに着氷。スピンの軸がまっすぐでポジションもきれいで回転も速い。レベルは4、4、3と、ほぼ取れている。ステップのレベル2が惜しかったが、全ての要素で誰一人ジャッジがマイナスを付けていない。
選手も満足いく出来栄えだったようで、終わった後、ガッツポーズ☆
大きなビートが入っている音楽なのだが、そのビートに振付がビシッとハマるようになると、さらに素敵なプログラムになるんじゃないかなー。
62.16で、SBおよび自己ベスト更新！

5 Eric SJOBERG エリック・ショーベルグ（アメリカ）

今大会がJGPデビュー。
タノ2AはOK、3Lz<+3T<は着氷がシェイキーかなーと思ってたら、アンダーローテを取られてたかー。3LoはOK。スピンのレベルは2、4、4。ステップはレベル3。
ポジションやラインが美しい。しっとりしたクラシック曲をエレガントに表現していた。
59.72。

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●第2グループ
6 Si Hyeong LEE シヒョン・リー（韓国）

  • 楽曲：
    • Dancing With the Bear
    • La Mascarade

昨季、JGP Croatia Cup 8位。今季、JGPサン・ジェルヴェ17位。
おお、フリル！ キラキラ！ これぞまさしく王子さま衣装☆（笑） 長身で手足が長く、スレンダーなので、こういう衣装が似合うなぁ。
3Lz+3Tと2AはOK、3Loはステップアウト。直後のCSSpで転倒してしまい、ノーバリュー（泣）。
他の2つのスピンはどちらもレベル4。ステップはレベル3。
一つ一つのエレメンツを丁寧に行っている印象を受けただけに、最後のスピンのミスがもったいなかったな〜。演技が終わった後、選手もがっかりした顔。
55.11で、SB更新。

8 Alexander SAMARIN アレクサンドル・サマリン（ロシア）

  • 楽曲：Come With Me Now by Kongos

昨季、JGP Croatia Cup 優勝、ジュニアの国内選手権2位、世界ジュニア4位。
斬新な衣装（汗）。しましまの部分と、しましまの濃い色だけの部分が混在している。
3Aと3Loは非常に素晴らしいジャンプだったのだが、3Lzで転倒してしまい、コンボにならず。スピンとステップは全てレベル4＆GOE加点。
ロックな音楽をキレッキレに演じていたのだが、上半身がずっと力んでいるように見えるので、力を抜いているところも入れた方が、抑揚がついて、いいんじゃないかなと思った。
73.34。
得点が出て、これまで滑った選手の中では差をつけてトップだから、観客は大喜びで大騒ぎなのだが、選手とコーチは浮かない顔。自己ベストが80.31だもんなー。客席とキスクラの温度差がすごい（苦笑）。

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●第3グループ
12 Irakli MAYSURADZE イラクリ・マイスラゼ（ジョージア）

  • 楽曲：Black Betty by Ram Jam

昨季、世界ジュニア24位。
ちょっとくすんだような、褪せたような濃いグレーのズボンがかっこいい。
3Aは両手付きでGOEマイナス、3Lz+3Tと3Loはプラス評価。スピンのレベルは2、4、3だが、トラベリングしたスピンもあったし、あまり得意じゃなさそう。ステップはレベル3。
素晴らしいジャンプが跳べる選手なので、スピンやステップの質を高めていけると、さらに素敵なプログラムになると思う。
64.67で、自己ベスト更新！

15 Andrew TORGASHEV アンドリュー・トルガシェフ（アメリカ）

  • 楽曲：Le Temps de Cathedrales (from "Notre Dame de Paris" soundtrack)

2014〜15シーズン、全米ジュニア優勝、世界ジュニア10位。昨季、膝の怪我で休んでいたらしい。両親はソ連代表の元選手。
3Aがステップアウト、3Lz+3Tは着氷が乱れた上にeマークが付き、3LoはOK。
スピンのレベルは4、1、4。レベル1になったスピンは、バランスを崩してよろよろ回転になっちゃったので、GOEマイナス。
ステップはパッションあふれるドラマティックな滑りで、レベル4＆加点。
お父さんがコーチなんだけど、選手にそっくり。や、選手がお父さんにそっくりとうべきか。
65.47。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Alexander SAMARIN RUS 73.34 38.63 35.71
  2. Matyas BELOHRADSKY CZE 66.31 36.46 29.85
  3. Andrew TORGASHEV USA 65.47 32.96 32.51
  4. Irakli MAYSURADZE GEO 64.67 36.29 28.38
  5. Tangxu LI CHN 62.16 33.91 28.25
  6. Eric SJOBERG USA 59.72 29.92 29.80
  7. Petr GUMENNIK RUS 58.43 28.31 30.12
  8. Si Hyeong LEE KOR 55.11 29.93 26.18
  9. Luc ECONOMIDES FRA 53.60 26.39 28.21
  10. Adrien BANNISTER ITA 50.68 24.42 26.26
  11. Alexander MASZLJANKO HUN 50.44 26.06 25.38
  12. Edrian Paul CELESTINO CAN 50.39 22.13 28.26
  13. Yauhenii PUZANAU BLR 46.24 22.15 25.09
  14. Alexander ZLATKOV BUL 43.83 21.20 22.63
  15. Melis KHAKIMOV KAZ 39.28 18.15 21.13
  16. Charlton DOHERTY AUS 39.14 18.31 20.83
  17. Jegor ZELENJAK EST 37.58 18.12 20.46
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◆総評
動画の状態が良好で助かった。以降もこの調子でお願いしたい。
さて、横浜もすごかったが、サランスクも声援がすごい。サン・ジェルヴェとチェコスケートでは、選手と関係者しかいないんじゃないかと思うくらい、客席がガッラガラだったが、サランスクの客席は、だいぶ人で埋まっていた。
SP1位のサマリンくんは、他の選手より頭一つ抜けてる感じ。コンボが入らなかったのに、2位に7点差も付けてるんだから。PCSの評価も抜きんでてトップ。ま、フリーでよっぽど大崩れしない限り、優勝できるだろう。
2位のマティアスくんは、今できる最高の演技をしたよね！ すっっばらしかった！！ 彼が、SPとFS、2本そろえられれば、2位もいけるかも。でも、3Aがまだ跳べないからなー。
3位のトルガシェフくんは、PCSでは2位の高評価だし、3Aも跳べるので、フリーでジャンプにミスがなければ、2位に順位を上げられると思うのだが、怪我明けみたいだしなー。どうなるかなー。
今大会は日本選手の参加がなくてさみしい…。来季は全大会に出場できますように！