カナダ選手権2017 男子FS

カナダ選手権2017 リザルト
男子SPは、現地時間2017年1月21日(土)に行われた。

テレビで放送されなかったので、上記の動画等で、最終グループの選手の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
                                                                                                                                        • -

●第4グループ
16 Liam Firus リアム・フィルス BC/YK

  • SP順位:6,得点:72.41
  • 楽曲:Love Reign Over Me by The Who
  • プログラム:×

4Tと3A、3Lzで転倒。他にもジャンプの抜けがあった。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル4。
コンディションが悪いのかと心配になるような演技だった。ジャンプのミスはともかく、ステップやコレオが、いつもの彼の動きではなく、プログラムの魅力が伝わってこなかった。
フリー140.98、総合213.39。現時点で総合2位。

17 Nicolas Nadeau ニコラス・ナドゥー QC

2つの3Aはクリーンに着氷。彼はカナディアンアクセルの呪いとは無縁だな、ほんと。4Loは着氷が乱れた。2Tを3回跳んで最後の2Tがノーバリューになったり、連続ジャンプが2つしか入らなかったり、3Loがダブルになったり、3Sで着氷をこらえたりと、少なからずミスはあったのだが、場内のお客さんは、彼のプレスリーなりきり演技に大喜びで、演技後、総立ちだった。
スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。
…これは…かなりの意欲作というか挑戦作というか。セリフがけっこう入っていて、音楽の使い方もつなぎ方も独特。2つの違う曲が同時に流れている箇所もあるし。
今のところ、わたし個人のプログラムの評価は保留で! ユニーク過ぎて、良いのか悪いのか、好きなのか嫌いなのかよく分かんない。
フリー165.40、総合238.22。現時点で総合1位。お、PCS 86.42も出た!! カナダのジャッジは高評価だな。…ところで、転倒による減点1がついているのはなぜ? 最後のポーズが転倒と見なされたんだろうか。

18 Nam Nguyen ナム・ニューエン CO

  • SP順位:4,得点:76.08
  • 楽曲:An American in Paris by George Gershwin
  • プログラム:△

冒頭の4S+2Tはクリーンに着氷。次の4Sは転倒。待ちが長いのと前傾姿勢が気になるが、2つの3Aをきっちり決めた。4Sの転倒以外、ジャンプは全てGOEプラス評価。スピンのレベルは3、4、2V。3つ目のCCoSp2のキャメルポジションでフリーレッグが下がってしまった。後半のステップはレベル2。疲れたのか、スピードとキレが落ちたように感じた。
SPでもそうだったけど、FSも後半、疲れが見えた。スタミナ切れかなぁ。怪我か何かで通し練習が積めてないんだろうか。
フリー164.52、総合240.60。現時点で総合1位。

19 Elladj Baldé エラジ・バルデ QC

冒頭の3A+3Tは良かったのだが、4T<で手をついたり、後半のジャンプで抜けや着氷の乱れが続いてしまった。スピンのレベルは3、2、2。ステップはレベル4。
後半のジャンプは崩れてしまったが、演技自体はたいそう素晴らしかった。特にステップとコレオは、スピードに乗って滑りつつ、余韻や間の取り方が絶妙で、とっても素敵だった。ハートをわしづかみされた。
フリー149.71、総合227.16。現時点で総合4位。

20 Kevin Reynolds ケヴィン・レイノルズ BC/YK

  • SP順位:2,得点:
  • 楽曲:Grand Piano (soundtrack) by Victor Reyes
  • プログラム:△

氷上に出てくる所作からすでにかっこよさ全開であった(///)。
冒頭の4S+2Tはきれいに降りたのだが、次の4T<と4Sは着氷が乱れた。後半の4T+3Tは成功。3Aがダブルになったけど、後のジャンプは全てクリーンに着氷。スピンのレベルは4、4、4V。ステップはレベル3。
場内スタオベ。
後半、音楽がドラマティックに盛り上がるところのコレオ→スピンの表現は、音楽と共にあるって感じで、本当に素晴らしい。ただし前半、まだ曲想をとらえきれてないかな〜と感じる部分があるんだよね。そこがもっと深まってくると、さらに進化しそう!
フリー174.01、総合255.77。現時点で総合1位。

21 Patrick Chan パトリック・チャン CO

前半の4T+3Tと3A、4Sをクリーンに着氷。前2つの出来栄えは素晴らしかった。後半の4Tがトリプルになってしまったが、他のジャンプは全てきれいに降りた。ザヤらないか心配になったけど、パトちゃんはそのへん抜かりがないので、大丈夫だった。
スピンのレベルは4、4、4V。ステップはレベル4。
場内スタオベ。
4Sの成功を見るのはこれで2度目。この年で新しい種類のクワドをものにしつつあるって、ほんとすごいわ〜。後半の3Aも安定して入るようになってきてるし。
表現に関してはもう何も言うことはない。音楽の美しさが体の中に入り込んでくるような滑りで、自然と涙が込み上げてくる。
フリー205.36、総合296.86。総合1位に決定。

                                                                                                                                        • -

◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、所属名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Patrick Chan CO 1 1 296.86
  2. Kevin Reynolds BC/YK 2 2 255.77
  3. Nam Nguyen CO 4 4 240.60
  4. Nicolas Nadeau QC 5 3 238.22
  5. Keegan Messing AB/NT/NU 8 5 231.04
  6. Elladj Baldé QC 3 6 227.16
  7. Liam Firus BC/YK 6 7 213.39
  8. Bennet Toman CO 11 8 203.91
  9. Roman Sadovsky CO 7 10 202.96
  10. Mitchell Gordon BC/YK 9 9 201.09
  11. Joseph Phan QC 12 11 196.78
  12. Edrian Paul Celestino QC 10 12 194.90
  13. Samuel Morais QC 15 13 179.70
  14. Jack Kermezian QC 13 16 171.46
  15. Alexander Lawrence BC/YK 18 14 169.40
  16. Shaquille Davis CO 16 15 168.80
  17. Laurent Guay QC 14 17 168.62
  18. Antony Cheng BC/YK 17 18 166.58
  19. Olivier Bergeron QC 19 19 160.63
  20. Dustin Sherriff-Clayton AB/NT/NU 20 20 149.65
  21. Dominic Rondeau QC 46.87 21 21 138.63
                                                                                                                                        • -

◆総評
カナダ選手権は、SPの順位が下の方から順番にFSを滑るんだな〜。抽選じゃないんだ。
さて、パトちゃんは、9度目の優勝おめでとう!! 演技が終わった後、ほっとしたように息をついた顔が印象的だった。「よかったけど、悔しい部分もある」という表情に見えたけど、やっぱり後半の4Tを決められなかったことが心残りだったのかな?
総合2位はケヴィン。彼がこの位置に戻ってこれたことが本当に本当に嬉しい。フリーは、もっとよくなると思うので、さらなるブラッシュアップに期待している。
3位はナムくん。体力面に問題を抱えているのかなぁ。ちょっと抑えて演技している印象を受けた。それがPCSにも反映されている。でもま、ジャンプは安定してきて、昨季の心配な状態からは脱した様子でよかった。
4位はナドゥー。フリーの振付は、シェイ=リーン・ボーンだそうだが、いまだにどう評価していいのか迷っている。なんだか彼女とナドゥーにもてあそばれている気がする(笑)。すごく斬新で、衝撃的なプログラムだった。
5位はキーガン。第3グループの演技も見たくて動画を探したのだが、見つからず(涙)。SPを見る限り、上手くなっているのは確かなので、もっと演技が見たいなぁ。来季、GPスケカナに派遣してもらえないかなぁ。
6位はバルデ。FSで順位を落としてしまったが、プログラム自体は本当に素敵☆☆ 来季も続行してくれないだろうか。オリンピックシーズンを戦うに足るプロだと思う。それに何より、もっともっと見たいんですよ、私が!! 見たいよ!!

                                                                                                                                        • -

◆出場者
下記のURLにて、今後のチャンピオンシップ大会の出場者が発表された。

◇四大陸

◇ワールド

上位から順当に選ばれた。
ケヴィンが久しぶりにワールドに出場できる! 嬉しい! あとはパトちゃんが、表彰台に上がれるといいなぁ。
パトちゃんとケヴィンが、自分の実力を発揮できれば3枠とれると思うんだけど、本番で練習通りの演技をするというのがすごく難しいわけだから…ねぇ(ため息)。

◇世界ジュニア

  • ニコラス・ナドゥー
  • ロマン・サドフスキー
  • コンラッド・オーゼル

ナドゥーは昨季2位なので、目指すは優勝ですな☆ 今回の演技を見るに、クリーンな演技ができれば、優勝候補のアリエフやヴィンス、ジュンファンとも対等に渡り合えそう。今季の世界ジュニア男子の戦いは、ほんと熾烈を極めてるわ〜。ワクワクする〜☆
サドくんは、第3グループだったので、フリーの演技は見られなかったのだが、プロトコルを見ると3回も転倒してる…。ポテンシャルはピカイチなのになぁ…。ほんと、ジャンプの不調の原因は何なんだろう。心配だ。
コンラッドは、ジュニアで2位だったのだが、優勝した選手が年齢制限のため、世界ジュニアに出場できないので、代わりに選ばれのたと思われる。JGPシュベルターで2位になったんだよね。3Aとクワドが跳べるけど、動きがまだジュニアっぽかったように記憶している。ジュニアのプロトコルを見たら、フリーで3Aと4T、降りていた。どれだけ上手くなってるかなぁ。世界ジュニアで演技が見られるのが楽しみ☆