Kahimi Karie /昭和女子大学人見記念講堂

激しい雨が止み、西の空には雲が地平から上へと広がりゆき白く不思議な形を作り出している。そこに傾いた陽が何かの印のようにすっと刺す。そんなきょうの特別な空模様がよく似合う、コンサート*1でした。
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開演前場内をひたひたと広がるドローンがそのまま本演奏に繋がっていく、凛とした静かで厳かな世界。でも緊張感ではなく安心感がありました。透明の水が会場を包んでるような。さかなのいない水族館にいるみたい。
意外にMCが多くて!で「眠ってしまってもいいので。。」と言っていたけれどホントにすやすやまどろんでしまうよな。。もともと私目を瞑ってライブを見ることが多いのですが今回もそんなふうに過ごしました。
そんな雰囲気にスパイスが加えられたのは「All is splashing now」。新作での、水の音が印象的な曲ですが、これホントに透明な水槽に水を張り再現したのです。パーカッションの方がちゃぷちゃぷんと。耳にきもちよかったです。
バカラックや「風来坊」カバー*2や過去の楽曲「david hamilton」「kinski」も挟みましたが、新作の静謐な音世界にしっくりと。
そして「You are here for a light」大好きなこの曲。こんな静かに上昇していく構成に弱い私ですが生で聴いた演奏はもう。。後半ぐっと胸に突き刺し染み渡り、、高ぶって泣きそうになりました。はあ、、あの感覚はなにものにも変え難い、瞬間でした。

これまであまりライブを行わなかったし特に見たいと思わなかったのだけど、新作はぜひ生で聴いてみたいと思わせるもので、オヤマダ君のとき同様1stからかれこれ10年強が経ち初めてのライブ鑑賞となりました。今、でよかったなと思う。
カヒミさんは「自分がこういうのをやりたい」というものを実現するために「尊敬出来る誰か」と組むというスタンスでやっているように見受けられるのですが、今は大友さんで、彼から得るものが「自分を成長させた」とMCで言うほどに非常に大きかったんだろうなあということが伺えました*3。張り詰めているだろうけどもカヒミさんがとても穏やかにきもちよく佇んでいたようだったのも印象的。

ところでPA大変だったろうなあと。なんとzakさんでしたが。まんなかに「拾いにくい」声、大友さんとジム・オルークなんてゆう「奇才ツワモノギターを両脇に従え」、後ろに配したハープ・笙・チェロ・パーカッションとそれぞれ豪腕で、このホール*4で、声と楽器のバランスと広がり方、技術的なことわからない身でもさぞかし。。と思ってしまう。若干、アンバランスなときもあったり音の響きが想像よりもよくなかったかな。
沖縄や鎌倉のお寺でやる予定があるそうでそちらでも是非見たいなあ。うん寺院、いいですなひそやかに聴きたいなあ。。生音の響きに包まれたい。
おまけ:きょうの発見*5*6

*1:そう、この日私は新宿loftにはいませんでしたのよ!

*2:例のトリビュートですな

*3:やー「特別なひとなんです」とあんなくふくふした声とキッとした眼差しで言われたらねえ。。私ならメロメロ

*4:でもここ、ビョーク矢野顕子もやったりしてますよね。確かdee-lightも!

*5:ロビーにさとう玉緒からの花が。。何故?

*6:実はファン層が気になっていたのです。女8:男2くらい。20代後半の「MORE」OLが圧倒的に多かったのが意外。。。「BAILA」ではない。「cancan」OLはやっぱりいない。いたら吃驚。「FUDGE」さん「IN RED」さんもさほどいなくて。。「ku:nel」さんも「LOHAS」なひとも。オトコノコは女子と一緒のひとがほとんど。心配された「系統」の方はいらっしゃいませんでしたよ、あんまり←ヤカモチさんへ