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初めて好きに設計できた課題。住宅。敷地無し。
タイトル「cought house」は中庭つきのコートハウスって言う意味と「捕われの家」っていう意味のかけことば。
皮肉もこめてあと付けしたタイトル。
それまでずっと気にしてたらしい家族の問題、自閉的な建築への興味を一旦消化できたという面で
自分としては思い入れの強い作品の一つだ。
こうしていくつかみていて思うが、
どれもこれも「他人との距離感」っていうところが全部の作品の基本になってるみたいだ。
これは今でも続いてると思う。
打合せと飲む時以外の場面で人の目を見ると落ち着かない。
他人の目があると好きな事ができない。
他人を観察すると嫌な部分ばかりが見えて来る。
自分の嫌な部分を観察される気がする。
おお、なんと暗い…。駄目なんじゃないかこれは人間として…。
といって別に他人と関わりたくないわけじゃない。
他人と接しないと世界の広がりは感じられない。
こんなふうに個人同士が引き合う力と離し合う力が常に働いてるっていう意識がまずあり、
それを直接空間化したり逆に空間をいじることで力の均衡を崩したりということで考えて来たみたいだ。
その方法は今回みたいに完全に遮断してみたり、部屋を横並びにしてみたり、
外側に焦点を置く事で引き合う力を逃がしたりとかいろいろある。
その中で共通してるのは必ず意識的な逃げ場を設けることだろうか。窓とか。
よく建築が自閉的だという指摘をされるけど、自閉性というのは逆に他者が存在して初めて成り立つ。
改めて見るとそういう個人的な願望を形にして来ただけのようだ。
本当は社会の願望を形にしないといけないのに。
たぶん社会的な願望というものに実感が無いからだ。
新聞も読まないしクライアントもいないからだ。
これまでやってきたことはネタ帳にストックして、基本的な姿勢は転換する必要があるのだろうか。
ま取り敢えず働いてみないと解らない。
- 作者: 水木しげる,小学館クリエイティブ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 単行本
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ちなみに形態は水木しげるの漫画に出て来る河童の家を参考にしている。
水底のドームの中にある河童一匹のユートピア。漬け物と魚の干物と酒がストックしてあって楽しそうだった。