霍元甲

SPIRIT -スピリット-
http://wwws.warnerbros.co.jp/spirit/
感想。面白い。「the one」プラス「ワンチャイ」割る2な感じ。


あらすじはシンプル。絶頂の傲慢主人公が全てを失って放浪しこころを癒して再び立ち上がる。間に挟まる農村シーン以外は闘いの連続で見所だらけ。予告を見たときの不安ははっきり間違いであった。
アクションについて。
ワンチャイの黄飛鴻はすでに作中で名を成しており、仙人の様に到った強さとして描かれていて(棒立ちに片手で攻撃を捌きちっとも不自然ではない!)それが最大の魅力なわけだが、作中前半の霍元甲は売り出し中で飛ぶ鳥を落とす勢いの格闘家。そのせいか余裕のある楽勝場面よりもジェット・リーが役柄的に相手側に合わせていることが多いようにおもう。前半のクライマックス秦師匠との決戦はまさに死闘。悪いジェット・リー全開で大変禍々しく秦師匠の力量も相まって壮絶極まりない。この闘いがすごい。全攻撃殺気立ち相手を殺そう壊そうという選択しかしない。剥き出しの暴力お美事。苦手な人にはちょっとしたグロ映像かもしれない。
そのあとたっぷり入る農村シーンが清潔で色彩豊か御飯も美味しそうでじつにメリハリが利いてます。
演技について。
俺が感心したのがリンチェイの演技。作中で数回主人公は大変な目に合うのだがそれを表情で全身できちんと表現出来ていたように思う。弟子の中の裏切り者を前にした辺りとか。
後半はいい場面てんこ盛り。乞食。我が家。先祖の墓。親友農。殺した相手の家。
上海。
復帰後最初の試合に臨んだ霍元甲の立ち姿。おお。同一人物とは思えない。これも演技力のなせる業か。感心。
オブライアン良かったです。見せ場合ったし。
ラストの中村獅堂ですが充分頑張ったとおもいます。なかなか様になっていた。剣道だか空手だか柔道だかよく分からんが。まあ言うだけ野暮だ。


残念なことにいろいろケチの付いたらしい本作。確かにEDテーマとかげんなりでしたが、観る価値はあると思います。