id:aikouさんが、初エルロイだそうで。
http://d.hatena.ne.jp/aikou/20041030#p2


もし、文体や文中の空気がお嫌いではなかったらぜひぜひ続けてLA4部作を読んでいただきたいと思います。『ビッグ・ノーウェア』『LAコンフィデンシャル』『ホワイト・ジャズ』です。全部読んだら『ブラック・ダリア』もまた違った感想になるはず。
映画マニアなaikouさんなら、LAコンフィデンシャルの映画はご覧になったことでしょう。せめてLA〜だけでも読んでみてくれたらなぁと思います。ラッセルもガイ・ピアースもなかなかの出来だったわけですが、なんといってもケビン・スペイシーの素敵さがさらに倍、倍どころか10倍ぐらい増すこと間違いなし!

フレデリック・フォーサイス『アヴェンジャー』

アヴェンジャー (上)

アヴェンジャー (上)

アヴェンジャー (下)

アヴェンジャー (下)

第二次大戦からベトナム戦争、ユーゴ戦争・・・すべては9.11へ至る道だった・・・。
ベトナム戦争精鋭部隊の生き残りであり、弁護士。裏稼業として「人狩り」を行う主人公。その仕事は逃げる凶悪犯を捕らえ司法へと引き渡すこと。コードネームはアヴェンジャー。今度の仕事はカナダ財界の大物の依頼により、孫息子を虐殺した犯人を見つけ出すこと。その人物(犯人)はアメリカの極秘プランに関わる人物である為、CIAも動きだす。


非常に読みづらい。視点や舞台がコロコロ変わるのはいいとして、唐突に過去が挟みこまれ、しかもそこに何の説明もなく新しい人物が登場する。この人は一体誰なんだ?これは何の話なんだ?としばしば混乱。特にアヴェンジャーとしての要素が出来上がるまでを描いた上巻は辛かった。それほど特別なエピソードがあるわけではないし、(恐らく)事実に近い事柄が書いてあるだけという感じで、ちょっと読み物要素を取り入れた史実を読んでるみたいなんだもん。首ひねるような文が結構あって、どうやら訳にも問題があるみたい。物語がちっとも流れないんですよ。下巻は実際に犯人を捕まえる為諸々の活動をするわけですけど、アクションシーンも全然ダメ。「オデッサ・ファイル」とかめちゃめちゃおもしろかったんだけどなぁ・・・。
上下各1800円と高いお金を払ったんだから絶対最後まで読む!って意地だけで読んだ。読後ガッカリ。2段組にして1冊でも充分いける分量だけに余計ガッカリ。どこの出版社だ!?と確認して納得。やっぱ角川か・・・。多分、この作家はもう読まない。

西澤 保彦『黒の貴婦人』

黒の貴婦人

黒の貴婦人

タックこと匠千暁シリーズ。表題作を含む5編収録の短編集。久々に読むタックシリーズで、心ウキウキ。やっぱり私はボアン先輩が大好きだ。有栖川有栖の江神先輩と並んで“外見はともかく、実際にいたらどんなに素敵だろう先輩”東西横綱ですよ。
これ一作では全く面白味はないと思う。どの作品も、ちゃんと謎とき要素を含んでいるけれどミステリを求めて読んだとしたら、きっと物足りなさすぎると思う。明確な答えがないものもあるし。これは、ずっとこのシリーズを追いかけているファンに向けてのプレゼントみたいなもんです。ボアン先輩大活躍(?)の表題作、タカチがウサコに自分の思いを告白する場面はため息がでました。タカチも変わったなぁって。最後に収録された作品のボアン先輩の恋心にもため息。
あー、みんな大人になっていき、離れ離れになりつつあるんだよなぁ。ちょっとだけ寂しいな。