*ミントの読書歴その36[第148歩・雪]

今は冒険小説作家を書いていますが、ミステリーと競合する部分もあります。
厳密に区分する必要もないかも知れません。


ミントの読書歴(その36)


高野和明(たかのかずあき、1964−)について


元々映画監督をめざして、岡本喜八監督に師事していた人物らしい。
2001年に13階段江戸川乱歩賞を受賞して注目を浴びた。
作品数はまだ少ないが気になる作家である。
昨年初めて読んだ。


13階段」(2001年)
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。
その冤罪をはらすべく刑務官の南郷は調査を始める。
手掛かりは死刑囚の記憶に残る「階段」のみ。
処刑まで残された時間はわずかだが間に合うのか?
ミステリーの傑作。お薦めです。


「グレイヴディッガー」(2002年)
中世の魔女裁判に登場したのがグレイヴディッガー(墓堀人)。
異端諮問官を皆殺しにしたというぶっそうな伝説上の人物である。
この人物をまねて、現代東京に無差別大量殺人が起こる。
主人公の逃亡を軸に、圧倒的なスピード感で展開するサスペンス小説。
面白かった。


いずれも緊迫感ある作品です。
この作家、これからも注視してゆきたいと思います。


                             その37へ続く


**最近読んだ本**


「容疑者Xの献身」(東野圭吾
直木賞受賞のミステリー作品であるが、なるほどと納得。
さすが東野圭吾である。
主人公のガリレオ先生、湯川学はTVで福山雅治が演じていたようだが
イメージにぴったりのはまり役だと思う。


金山北岳