椎間板ヘルニア

どうもまたまたいんちゃんです。


今週は今年2度目の14歳の挑戦が行われた週でした。


まあ過去をさかのぼってみても、こんなに元気いっぱいで好奇心旺盛な子がいたかなあ、と思うくらい素敵な2人でした。
動物病院の裏側を見ることなんてそうはないでしょうから、初めて見ることや体験することばかりで刺激的だったでしょうけど、積極的すぎてドキドキハラハラしたのはこちらも一緒でした(笑)
是非将来はこの業界に関わって、盛り上げてくれたらなあと思います。


さてその子らにも、おもしろおふざけ院長と思われてしまったようですので(自業自得ですが)、ちょっと今回も真面目なお話を。


Mダックスの椎間板ヘルニアについてご紹介してみようかと思います。


椎間板ヘルニアは、脊椎と脊椎の間でクッションの役割をしている椎間板が押しつぶされて突出し、神経を圧迫して起こる病気です。
飛び出した椎間板は、人の場合末梢神経を圧迫するそうで症状が『痛み』であることが多いようですが、犬の場合は脊髄神経そのものを圧迫します。
それゆえ圧迫部位から下位の神経に麻痺が起こり、Mダックスで起こる椎間板ヘルニアの一番の主症状は『後ろ足の麻痺』ということになります(ヘルニアの発生部位によって異なりますが)


このワンちゃんも主症状は後ろ足の麻痺でした。


そして選択された治療法の一つが外科手術。


まずは脊髄造影をしてヘルニア部位の特定をします。
単純なレントゲンでは確実な圧迫部位はわからないのです。
CTやMRIではわかりますよ。
ただ脊髄造影の方が安価でお手軽だと個人的には勝手に思っておりますが。ま、貧乏人の僻みとも言います(笑)


造影剤を下位腰椎間から注入し、脊髄神経を浮き上がらせます。
下の写真の赤い→で示された二本のラインが通常のレントゲンでは映らない、造影されて見えるようになった脊髄神経のラインです。

えー同業者から写真の向きが悪いとご指摘を受けそうですが、写真の左側が頭です。


写真を拡大しますと…黄色い矢印の部分だけ、造影ラインが途切れています。

ここがヘルニア部位、椎間板が脊髄神経を圧迫している箇所なわけです。


部位がわかれば、あとはここを開いて圧迫を取る手術をしてあげれば完了です。


いやあ、全く面白みのない文章ですなあ(笑)


さらに今回は、再生医療もミックスしての治療となっています。


再生医療に関しては、担当の中谷から次回?いや近日中にアップ記事があることでしょう。


ん〜、中谷の『え〜〜っ!!』っていう声が今にも聞こえてきそうですな( ̄▽ ̄)


この症例は経過も非常によく、術後数日目の今日、起立している姿を見せてくれました。
表面的にはクールを装いますが、そりゃあもう、うれしくってのアップ記事なわけですよ(^O^)


かれこれ10年以上この外科手術を続けてますが、うまくいく症例ばかりではないのです。
早くよくなれ、もっとよくなれ、そう願うばかりであります。