宇都宮〜桐生〜八高線経由〜川越〜宇都宮 の小旅行1


 27日の日曜日は(その前後の仕事の関係から)宇都宮を基点終点にして日帰りで、青春18切符を使って一回りしてきました。宇都宮5:42発で小山、小山6:20くらいの両毛線で桐生。小山を出てすぐにまだまだ暗いけれど、ほんの少しだけ明るくなっている車窓に、まるで綿菓子の中につっこんだかのように霧の中に入ります。そこは光が閉じ込められて乱反射しているようで不意に鉄塔の影とかが浮かび上がり、そういうシーンが具体的にあったわけではないのですが、映画「銀河鉄道の夜」を思い出しました。どうやらその霧は川の上にただよった川霧だったようです。
 そのあとも車窓には霜のせいで白茶けた畑地が美しい。
 桐生の街をぶらぶらと歩きます。到着したのが7:30ころで、それから10時くらいまで、駅においてあった近代建築のガイド地図みたいなものを頼りにあとは気分と勘に任せて適当に路地を曲がり歩きました。観光施設は早すぎてどこも開いていない。
 冬の日曜日の朝、ほとんど人影を見かけません。武田花の「眠そうな町」に桐生の写真もあっただろうか?須田さんの「風姿花伝」にはどうだったろうか?街の大きさの割りに、なんだか歓楽街がだだだっとのっぺりと広く広がっているような感じがするのは気のせいでしょうか。そういう歓楽街の早朝はだれもいない。なんだかひっそりと歩かないといけない感じがするのでした。比較的にはシャッター音が静かだと思う最近のデジタル一眼レフでもシャッター音が大きくてどきっとする。
 一度、首輪をしていない犬に後を付かれました。

 犬は苦手です。小学生のころは長屋構造の社宅に住んでいて、隣のWさんの家には白い犬が飼われていました。名前はなんと言っただろうか?シロではなかったと思う。古いアルバムをめくると、私とその犬が並んで、私はしゃがんで、まるでその犬が無二の親友であるかのように、手を犬の肩に回すようにして笑顔で写っている写真があるけれど、そんなに犬と「打ち解けた」記憶はなくて、怖れる気持ちがいつもあったように思うのです。
 だから犬が付いて来たときにはやっぱり今でも怖かった。