不安


M党が圧倒的大差で第一党になったときにはこれはこれで仕分けだかなんだか子供じみたパフォーマンスで、時間軸を考慮しない理想論みたいな絵空事を、具体的な実行性を伴わないまま推し進めようとして、出来るわけもなく、すぐにメッキが剥がれて稚拙さを暴露してしまい、一発ヒット曲を当てた人気歌手が一発屋で消えていくがごとくはなはだしく惨めな失墜をした感じ。その間、J党は、M党の何が受けたのか、自分達のなにがいけなかったのかをちゃんと学んで、反省して、出直せば、運営は長年の経験で手練れなのだから、清く出直すと思いきや、M党の自滅の棚ぼた勝利の側面が多大だったにもかかわらず、いろいろと履き違え、勝てば官軍、ここぞとばかりやりたい放題。若手議員の言論規制もお構い無しの暴走は、なんとなく潜航していた感じのファシズムの台頭が、潜航どころか表立って現れて来ているではないか!なるほど若手議員が最初に洗脳されるって訳か。目の当たりにすればそりゃそうだって感じ。テロを起こしたあの宗教集団が教祖のもとに洗脳された連中が実行エンジンになったがごとく。
害虫が一匹いればその三十倍は潜んでいるって?オー怖い怖い。
権力がキャッチボールされてどちらを試してみても、どっちもどっちで、結局はどちらも権力をかさに暴走。人間の限界を見るようで、失望しか残らない。
恩田陸の「私と踊って」と言う短編集を通勤の時間つぶしのライトエンタテイメントノベルのつもりで買って読んだのだが、収録されている「東京の日記」と言う一編には、いまのこのような状態が更に悪化した感じの未来の東京が出てくる。書かれたのは2010年。2011年の震災も予測出来ていたかのような内容で、作家もあとがきで、2010年には仮想の話だったけどだんだんこんな方向に向かっているようで恐ろしいみたいなことを書いている。

私と踊って (新潮文庫)

私と踊って (新潮文庫)