百人一首ゆかりの地を訪ねて

mituyo19412006-06-15

百人一首の旅(1)
昨年の秋、keiさんと訪ねた、百人一首撰定地「厭離庵」で高価なカルタを見ることができました。今回は百人一首ゆかりの地を訪ねてみることにしました。
一日目は、ikoさんもお付き合い頂き、車内は笑い声で弾み三人娘(?)で先ずは、上賀茂神社、下賀茂神社を流れる「ならの小川」に行ってきました。
九十八番 従二位家隆
風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは
  みそぎそ夏の しるしなりける
               
二日目は、以前から是非行ってみたいとkeiさんの要望で瓶の原(みかのはら)を検索、しかし現在は瓶の原という地名は残っていないようで、「山城の国」辺りと漠然とした情報しか得ることが出来なかった。 先ずは山城の国(京都府ですが、奈良に近い所です。)にある海住山寺を訪ねてお寺の方に聞いてみました。 いづみ川・・は現在の木津川のことで、この木津川近辺を昔瓶の原と呼ばれ風光明媚な場所であったそうです。
二十七番 中納言兼輔
みかの原 わきてながるる いづみ川
  いつみきとてか恋しかるらむ

急な坂道を上がると、眼下には木津川と長閑な景色が目に入り、ここが「瓶の原」と、先ずは目的を達成!
               
海住山寺」からさらに車で30分「当尾(とうの)」へ、紫陽花で有名な岩船寺に向かいました。紫陽花の花はまだあまり咲いていませんでしたが、日本で4番目に古い三重の塔の美しい姿を見ることが出来ました。
               
岩船寺」から車で5分、「浄瑠璃寺」へと向かいました。
岩船寺」から「浄瑠璃寺」は歩いて行けば(40分)山中にはたくさんの石仏を見ることができるそうです。時間の都合もあり今回は車で走ってしまいました。
浄瑠璃寺の参道の両側には馬酔木が林立し、その向こうには簡素な「山門」があります。
               
           
「山門」をくぐると池を中心にした浄瑠璃寺庭園があり、それをとりまくように伽藍が配置されています。(パンフレットをコピー)
本堂には「九体阿弥陀如来像」が安置されています。 この仏像は藤原時代の作といわれており、かつては数多く造られていたようですが、現存するのはここが唯一のようです。 本堂は国宝です
本堂の前に石灯篭、池を挟んで、石灯篭、その上に三重の塔(国宝)があります。本堂から三重の塔が一直線上にあります。
平安時代に作られた「浄土式庭園」は特別名勝及び史跡に指定されております。 「苑池」は、三重塔側の上から見た形が、「梵字種字(しゅじ)の阿字(あじ)」を形作っているので、「阿字池」 と呼ばれています。
               
  
三重の塔は、高さ16.0㍍という小振りな塔です。 
京都一条大宮のある寺院の「塔」を移設したらしいと説明されていました。
石灯篭から三重の塔を正面に見ることができます。
                
地元の方は浄瑠璃寺と言わず、親しみをこめて「九体寺(くたいじ)さん」と呼んでおりますように、時間を忘れて本当にくつろげる寺院です。しかも、団体客も少ないため、境内は静寂の別天地です。
三日目は、宇治川近辺を散策、三室戸寺の紫陽花を見て、朝霧橋から宇治川を眺めてみました。ここも百人一首に詠まれています。
               
八番 喜撰法師
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ
  世をうじやまと  人はいふなり
六十四番 権中納言定頼
朝ぼらけ 宇治の川ぎり たえだえに
  あらわれ渡る 瀬々のあじろぎ
これからも百人一首ゆかりの地を訪ねてみたいと思います。