[手塚治虫]先生と言えば
『マンガの神様』である。
生前からその様に言われていたが、
神様がどんな人物だったか
個人的にはあまり知らなかった。
藤子不二雄A先生の描く
『まんが道』に登場する手塚先生は
やさしく藤子不二雄両先生に接し、
神様か父親の様な人物像である。
そんな三宅の頭で
手塚先生と親交のあった
漫画家や編集者たちのインタビューを
まとめた漫画本、
『ブラック・ジャック創作秘話』を読んで
正直ビックリした。
特に当時の編集者の証言が生々しく、
『しめきり』を守らない手塚先生への慟哭や、
仕事が上がってこなくて緊迫する
編集者たちの焦りと絶望が
見事に描き出されていて手に汗にぎる。
初の2時間アニメ[バンダーブック]の話など
個人的には座ったまま読めない。
原稿や絵コンテなど進行が遅れているのに、
リテイク(やり直し)を連発する
手塚先生に仰天である。
床に寝転がっている
手塚先生の描写も驚きだが、
登場する漫画家の先生方は
どなたも三宅になじみ深い
ビッグな御方ばかりで、
つくづく手塚先生の残した足跡が
大きなものだと思うに至る。
若い世代には分からぬかも知れぬが、
手塚先生がいなければ、
ガンダムもジブリも
この世に無かったかも知れないのである。
もう一度ブラック・ジャックを
最初から読もうか。