空ノ鐘の響く惑星で 7:渡瀬草一郎

状況が少し好転したかと思うとすぐにまた悪化し、悪化したかと思うとまた好転する、この巧妙にギリギリの状況設定、ナイフの刃の上を渡っていくような緊張感がたまりません。味方が減ったり増えたり、敵が強くなったり弱くなったり、寝返ったり裏切ったり、なんだか大変ですね。
しかし、ウルクが不憫すぎて不憫すぎて…。
チェイニーの微妙なかっこよさ、ライナスティの男っぷり、ベリエの(ある意味での)漢っぷり、ムスカさんのいぶし銀の渋さ、この畳み掛けるような熱気に燃える燃える。とりあえずのところは、彼らの活躍でなんとか状況は好転したような感じ。
それなのに、ああ、ウルク…。
コウ司祭の行動で状況がどう変わるかと、エンジュとイリスの関係と、そしてカシナートの動きが気になりますね。コウ司祭が頑張ってくれないと、アルセイフの現在の状況を打開できない気もしますが。
アルセイフ大ピンチ。ウルクも大ピンチ。
あとがきによれば、空鐘はそこそこの売上を誇っているけれど、それよりも図書館で大人気なのが頭痛の種なのだそうで。作家さんも大変なようです。
でも、個人的にはリセリナの方がなんとなく好きなんですけどね。