アカイロ/ロマンス 少女の鞘、少女の刃:藤原祐

アカイロとロマンス。血液と純愛。これほど藤原作品にふさわしいタイトルがあろうか。ってかさー、そんなに純愛にこだわってんなら、いちど血みどろドロドロじゃない作品を書いてみればいいのにねぇ。と思うんだけど、しかし電撃の黒い太陽が白く輝くことはないのである。何故ならば…とかなんとか格好いい理由を考えてみたけど思いつかなかった。とりあえず、そこはかとなく不器用な祐たん萌え。
というわけで見事な学園異能。今回のヒロインは人間の身体を乗っ取る生首だぜ。あまりにもひどすぎて素晴らしい。そういえば『オズ』シリーズの中に、日によって首を替えるお姫様が出てきたような覚えがある。ラングイディア姫だっけ。なんとなく思い出したけど、特に似てるわけじゃない。こちらの姫様は子どもっぽくて偉そうで優しくて可愛い系。でもさ、過去の作品を振り返ってみるに、『ルナティック・ムーン』のシオンも、『レジンキャストミルク』の硝子も、どちらもわりと無表情系なんだよね。そこで浮かび上がる驚きの仮説。『アカイロ/ロマンス』の真のヒロインは棺奈さんだったんだよ!!! …本当にそうだったらいいなぁ。あと地味に棗さんが良いキャラしてる。今後の活躍に期待。
1巻だけの印象では、『ルナティック・ムーン』の1巻や『レジンキャストミルク』の1巻よりも面白いと思った。経験を積んで着実に腕を上げているということなんだろうか。ううん、2巻が楽しみすぎる。