原点回帰ウォーカーズ:森田季節

変人ばかりが在籍する学校を舞台に殺人事件を解決してはタイムループ、また解決してはタイムループ、という話。なんともテンポが早い。というか早すぎる。タイムループというと普通は「同じ出来事を繰り返すうちにその内容が少しずつ変わっていく」とかそういう感じのものだけど、この作品においては出来事の重複がほとんど見られない。毎回の殺人事件で共通しているのは必ず山崎章夫が死ぬという点だけで、それぞれは全く別の話だ。タイムループが「同じ条件下でまったく別の話を読ませるための装置」としてしか機能してない。よって次々に起こる事件を次々に解決していくような爆速ミステリになっているわけだ。というかミステリでもないが。
へるふぁいあちゃんに癒されまくったり、田島先生の眼鏡が輝いていたりするけれども、個人的お気に入りはなんといっても主人公のアキラだ。可愛くていじられキャラナチュラルなツンデレっ娘。山崎くんと幸せになって欲しい。というかこの作品、密かに山崎のハーレムになっている気がする。よく考えると十哲とか女だらけだし。全編通して死んでるだけだった奴がなぜこれほど良い思いを…。